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打てば響く、オーッといえばオーッのツーカー馬場ワールド――フミ斎藤のプロレス読本#150[馬場さんワールド編5]



 スタン・ハンセンが“ウィーッYouth!”とやったら、5万8300人分のロングホーンが東京ドームの天井に突き刺さった。小橋健太はゴーッというジェットエンジンの爆発音みたいな大コバシ・コールに包まれて1塁側ベンチから出てきた。

 ハンセンとベイダーは、ジョニー・エースにはとことんそっけなかった。小橋がハンセンをスモールパッケージ・ホールドに丸め込んだ。

 メインイベントの三冠ヘビー級選手権がはじまったのは午後9時57分で、試合終了のゴングが鳴ったのは午後10時28分。

 顔面ハイキックX2、あびせ蹴りX2、垂直落下式ブレーンバスターX2、パワーボムX2。ありったけの技をありったけの気力でぶつけていった川田利明が王者・三沢光晴から完ぺきなフォール勝ちを奪って新チャンピオンになった。

 3本のチャンピオンベルトのなかで川田がその腰に巻いたのは、インターナショナル王座のベルトだった。

「人生でいまがいちばん幸せ。みんなとこの時間を味わえて、とても幸せ」

 キーワードは“みんな”と“この時間”と“幸せ”。そんなにたくさんのコトバを持たない川田は、単語だけでいまの気持ちを“みんな”に伝えた。

 全日本プロレスは馬場さんといっしょにトシをとっていく。“みんな”も馬場さんといっしょにトシをとっていくのである。

※文中敬称略
※この連載は月~金で毎日更新されます

文/斎藤文彦

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