ニュース

泥沼化する富岡八幡宮事件…容疑者はなぜこのタイミングで犯行におよんだのか?

「最初は通り魔が出た、という話でしたが。まさかこんなにドロついた話だったなんて……」

 大手紙社会部記者にもこう言わせしめた、東京・富岡八幡宮で起きた女性宮司殺人事件。被害者の実弟である前宮司とその妻が、日本刀で女性宮司と男性禰宜(ねぎ)を襲撃。女性宮司は死亡し、禰宜も片腕の大部分を切り落とされるなど重症を負った。

 容疑者は事件の共犯者である自分の妻も殺害し、のちに日本刀で胸を突き自殺した。また、地域の氏子など神社関係者に対して被害者を神社から追放することなどを求める手紙が送付されていたことが判明。その数は約2800通。要求が通らなければ「死後においてもこの世に残り、怨霊となり、たたり続ける」という文言も見られるなど、まさに「平成の八つ墓村」。テレビや新聞の報道も「富岡八幡宮のお家騒動」一色となり世間が騒ぐなか、その喧騒を冷ややかな目で見ていたのは、富岡八幡宮の総代経験者であるX氏だ。

「総代、氏子、みんな何かトラブルが起きることを予想していました。お家騒動の究極の形ですね。前宮司がここを追われて以降、被害者である現宮司も好き放題やっていた印象です。神社本庁が『経験不足や女性だということで宮司として認めなかった』などと一部では報道されていますが、彼女にはその資質がなかった。それだけでは?」(X氏)

富岡八幡宮

泥沼化する富岡八幡宮・女性宮司殺人事件…真相はどこに?


 被害者である女性宮司への同情意見も少なくないが、地元の氏子、総代などの関係者に言わせれば、容疑者とその妻だけでなく、被害者宮司にも様々な「落ち度」があったのかもしれない。とはいえ、被害者宮司のブログには、神職の飲み会におけるセクハラやパワハラ、ネグレクト、嫌がらせなどが横行しているなどの内情が暴露されており、様々な確執があったことが伺える。

 一方で、容疑者にも「歴史深い名社の宮司」たる資質があったかといえば、首をかしげる関係者も多いという。銀座や錦糸町のクラブで豪快に飲み歩いている姿も目撃されていたという。

「前宮司もとにかく遊ぶこと、派手なことが好きだった。ただ、深川のためにということで横綱を招いたり、氏子や我々とはうまく協力できていた。しかし、とにかく自分の思った通りにやりすぎる部分もある。前妻と別れて、今回の新しい妻を連れてきたときは、相当なすったもんだがあったようだ」(X氏)

 共犯者とされる妻は、前宮司の後妻として嫁いできたが、前宮司とは結婚後に離婚し、さらに再婚して離婚、事件当時は三度目の婚姻状態にあった。大変不思議な関係性に思えるが、富岡八幡宮の内情を知る関係者は、前宮司とその妻の関係性について、次のように証言する。

「前宮司が通っていた店で働いていたのが奥様でした。奥様の出自をめぐり、前宮司の母、そして被害者である姉と相当もめたんです。そういったこともあり、今回奥様が犯行に加わったということを聞いて、相当に(被害者を)恨んでいたのだろうと思いました」(神社関係者)

 一部報道によれば、前宮司の妻は、被害者の禰宜の男性に対し「お前だけは許してやる」と吐き捨て、命を奪うことまではしなかったという。前宮司の妻の恨みは、自身を否定し続けてきた旦那の姉だけに向けられていた可能性が高い。

 一方、なぜこのタイミングで、容疑者は爆発してしまったのか。前出のX氏が続ける。

「前宮司は、富岡八幡宮を追い出される際に1億円に近い退職金と、その他資産を持たされた。タワーマンションに住んでいたが、姉を脅迫して逮捕されると、ついこの間までは福岡に住んでいた。神職らしいことはあまりしておらず、釣りばかりやっていたらしい。原因はやはり前宮司の息子の存在だろうと思ってます。全てをリセットすれば、富岡八幡宮の運営だけでなく、神社が持つ不動産などで得られる莫大なカネも自分の息子に受け継がれる、そう考えたのではないでしょうか?」(X氏)

 とはいえ、富岡八幡宮の宮司には、長年勤め上げた「富岡家」の血筋ではない別の関係者が就任するのではないかとも噂されている。極めてローカルな世界で起きた事件だけに、その全容が明らかになる日など、永遠にこないのかもしれない。<取材・文/山口準>




おすすめ記事