更新日:2022年11月20日 10:53
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2人の娘を育てる貧困シングルマザー「現実を見ると辛いから夢の中を生きてたい」

日本のひとり親家庭の相対的貧困率は50.8%。これはOECD諸国で最下位の数字で、特に平均所得の低い母子家庭の状況は深刻である。状況を見ていこう。

現実を見ると辛いから夢の中を生きてたい

女性 協議離婚の末に得た北区の一戸建てにネイルサロンを開いた君島絵里子さん(仮名・40歳)は、小学生の子供を2人抱えるシングルマザーである。自宅でネイルサロンを開いており、月収ベースで20万円弱を稼いでいたが、首を痛めてからは経営が火の車だ。確定申告の際に確認したところ、昨年は必要経費を差し引いた純利益が年間18万円しかなく、自分でも愕然としたという。 「いくら節約したところで、普通に考えたら生活できませんよね。将来のことを考えていると、気持ちが煮詰まってくる。だから真剣に考えないで、フワフワ夢の中を生きているんです(笑)。可愛いものが好きだから、ゆくゆくは可愛いカフェでも開きたいなって思っているんですけどね~」  君島さんの場合、母子家庭ということで区からの手当金が子供と合わせて月に7万円入ってくる。収入が少ないため、バスなどの交通費も免除される。だが、今年春からは上の子供が中学に入学。ここから教育費が増えるのは確実だ。 「本当に頭が痛いですよ。もちろん高校は公立以外、認めないし、高1からはアルバイトをしてお小遣いは自分で稼いでもらいます。というか、最終的には子供が玉の輿で結婚して、その旦那さんに食べさせてもらおうと考えているんです。子供には冗談めかして言ってるけど、これは真剣です」  両親は車や自宅の購入時に援助してくれ、前夫も子供の養育費として月5万円を渡してくれるなど、環境には恵まれている。それでも生きるだけで精いっぱいというのがシングルマザーの現実なのだ。 ※写真はイメージです ― 家族の貧困が止まらない ―
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