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憲法を変えなくても法律の改正で対応できる?<憲法改正その前に①>

 2017年の衆院選で定数を維持した自民党は、いよいよ憲法改正に乗り出した。安倍首相は、選挙後の所信表明演説で「互いに知恵を出し合いながら、共に、困難な課題に答えを出していく。そうした努力の中で、憲法改正の議論も前に進むことができる。そう確信しています。」と述べた。 国会議事堂 自民党の憲法改正推進本部は、昨年12月20日に、「憲法改正に関する論点とりまとめ」を発表。とりまとめでは、昨今の国内外の情勢に照らして、自衛隊、緊急事態、国会議員選挙における区割り、教育充実の4点に絞って検討がなされている。  憲法改正については多様な意見があるが、そもそも「なんで憲法を変えなくてはいけないの?」とたずねられたらどう答えるだろうか。自民党は、上記の4点に絞って検討をする理由について、「安全保障環境の緊迫化、緊急事態への対応、過疎と過密による人口偏在がもたらす選挙制度の変動、家庭の経済事情のいかんに関わらずより高い教育を受けることのできる環境の整備の必要性」を論じている。  日本国憲法が、「押し付け憲法」であるから変えなければならないという意見もあるが、「押し付け憲法」であっても、何を変えるのかは問題となる。  何を変えるのかを考えるにあたって、日本国憲法のことを知るためにも、まず日本国憲法のなりたちを振り返ってみたい。日本国憲法ができる前には大日本帝国憲法があったことはご存じかと思う。では、いつから日本国憲法になったのだろう。日本国憲法に基づいて国が動くようになったのは昭和22年5月3日である。5月3日は「憲法記念日」として祝日になり、ゴールデンウイークの一日になっている。そして、大日本帝国憲法が終わったのも昭和22年5月3日なのである。  実は、日本国憲法は、表面的には大日本帝国憲法の改正という手法が採られている。日本国憲法への改正案は、昭和21年10月7日に衆議院本会議において3分の2などはるか上回る圧倒的多数で改正が可決されて成立している。
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日本国憲法を「占領憲法」と呼ぶ人もいる
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