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「そだねー」だけじゃない! 北海道女子が教える“かわいい北海道弁”講座

したっけ=さよなら

 また、彼女は「さよなら」を表す言葉で「したっけ」という言葉がかわいいと語る。 「北海道では、さよならを『したっけ』と言うことが多いです。『そしたらまたあとでね』というようなときに『したっけ』を使います」  さらに、この「したっけ」という言葉はさよなら以外の意味も持ち合わせているらしい。 「たとえばですが、山の中で熊と出会ったとします。そのときのことを人に『こんなことがあったんだよ』と説明するとき、『熊に出会ってしたっけね』と使うこともあるんですよ」

なまら=すごい

 そして、吉村さんは北海道にいた当時、「なまら」という言葉を毎日のように使っていたという。 「『なまら』は『とても』とか『すごい』という意味の言葉です。美味しいごはんを食べたときに、『これなまらうまっけさ』というように使いますね。あと、勉強が難しいときなど、『なまら難しい』といった感じで使うこともあります」

ちょす=触るな

 また、北海道弁には、「触るな」や、「いじるな」を表す「ちょす」という言葉があると吉村さんは語る。 「たとえば、若い子同士が髪の毛触ったら、『触らないで』の意味で『ちょすなや』と言ったりしますね」  この「ちょすなや」のイントネーションは語頭の「ちょ」の部分が強調されているのに加え、語尾を伸ばすというかわいい要素が詰まった北海道弁である。「ちょす」も、北海道ではよく使用される言葉だと吉村さんは語っていた。

はんかくさい=ダサい

 さらに彼女は、かわいく聞こえるにもかかわらず、ネガティブな意味合いを含む北海道弁を教えてくれた。 「まぬけや、ダサいを意味する言葉に『はんかくさい』って言葉があります。『あの人はんかくさいね』ってちょっとした悪口のように使ったりしますね。確かにこの言葉は悪口で使うことが多いですが、よちよちした子どもが転んじゃったときなどに、どんくさいねといったニュアンスで『はんかくさい』と言ったりします」
カーリング女子

JMPA代表撮影(榎本麻美)

語尾がかわいいシリーズ

 筆者の主観だが、彼女が先程紹介してくれた「なまらうまっけさ」の「けさ」という語尾も「かい」や「だい」のようにかわいらしく聞こえた。では、この「けさ」という語尾はどんなときに用いるのか? 「『けさ』は『なんとかだよね』のように、若い人同士が頻繁に使う北海道弁です。たとえば、『これかわいいっけさ』とか、イケメンを見たときに『イケメンだっけさ』といったように使います」  つまり、この「けさ」という言葉は、標準語では「だよね」を表す言葉なのだ。語尾系の北海道弁でかわいく聞こえる言葉には「けさ」のほかにも「しょや」というものがある。 「『しょや』は『それ面白いでしょ』ってときなどに、『面白いでしょや』と使うことが多いですね。この『しょや』という言葉も『なまら』と同じくらい毎日使います。お互い褒め合ったりするときも『美人でしょや』っていうような感じで使うのは日常茶飯事。北海道では、まるで標準語のように使います」  さらに、吉村さんは続ける。 「あと、語尾系でかわいく聞こえる北海道弁に『わや』というものがあります。これは『凄く』を表す言葉なんですが、使うのはとても大変だった時や、ヤバい状況の時ですね。「今日のテストはわやかったね」とか、『今日の仕事大変だったね』という意味合いで『今日の仕事わやかった』という使い方をします」
カーリング女子

JMPA代表撮影(毛受亮介)

 ところで、カーリング女子の影響で北海道弁が注目されていることに対して、吉村さんはどのように思っているのか? 「関西弁や博多弁に比べて、北海道弁って、濁点を強調した感じで、ちょっと汚いかもって、私個人は思っていたりします。だから、その北海道弁をかわいいと言ってくれることはとても嬉しいことです。あと、カーリングの選手たちが『赤いサイロ』などの地元のお菓子を食べてたじゃないですか。そういった部分からも地域のことをもっと知ってもらいたいですね」  カーリングを通じて地元・北海道が注目されていることを心の底から喜ぶ彼女の顔には満面の笑みが浮かび上がっていた。  かわいい北海道弁は、「そだねー」だけではない。ここで紹介したもののほかにも、まだまだたくさんあるはず。この「そだねー」ブームを機会に北海道はもちろん、北海道弁にも興味関心を向けてみてはいかがだろう。<取材・文/水野高輝>
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