早慶や関関同立よりも「法政」「近畿」大学が大人気!? 40代が知らない大学事情
一方、MARCHの中でも、かつては学生運動や男臭いイメージだった法政が人気なのはなぜ?
教育費破産』がある
【山内太地】
大学研究家。一般社団法人大学イノベーション研究所所長。大学に関する原稿執筆やコンサルティング、進路講演を行う。著書に『高大接続改革』など
【石渡嶺司】
大学ジャーナリスト。編集プロダクションなどを経て’03年から現職。大学選び、就職活動をテーマにした執筆活動に定評がある。近著に『大学の学科図鑑』
― オッサンが知らない[人気大学]2018 ―
「法政大学が教育内容を磨き、校舎をキレイにしたりしたのも大きいですが、要因の一つは学生の安定志向でしょう。今の学生は無理して上の大学を受験して落ちたくない。一方で大企業への入社はMARCH以下だと今も厳しいです。そこで、ラクしてMARCHに入りたい学生の間では、5つの大学の中で序列が下の法政が人気になるんですよ。また法政は1回の受験で14学部すべてに出願できるので、同じ受験で文学部にも理工学部にも挑戦できてしまいます」
そう話すのは大学研究家の山内太地氏。そんな法政大学の立ち位置は高校側にもうまく活用されており、「都内の某高校は、『MARCH合格者100名突破!』と宣伝していますが、その大半は法政だったりします(笑)」(山内氏)なんて話も。
実際、大学生からも「MARCHの中で偏差値が一番下で、日東駒専レベルの人が挑戦しても受かる印象」(上智・2年・男性)、「いろいろな入試方法があって入りやすそう」(早大・1年・女性)との声があった。
また、安定志向で人気上昇の法政とは逆に、1クラス上に抜けたのが明治大学。2017年の志願者実数は、早稲田の5万4693人を超える5万9801人を数え、今や「早慶上明」なんて言い方もあるそうだ。
「明大は以前から男子学生には人気がありましたが、どこか男くさい印象がありました。それが近年はキャンパスが都心にある点などを上手にアピールし、女子人気も高くなっているんです」(石渡氏)
一方で、こうして勢力図が変わってくると「明治、早稲田は受かるのが難しそうだし、立教や慶応は募集人数が少ないから、出願をためらう人も多そう。慶応は小論文対策も必要なのが面倒くさい」(早大・1年・女性)との声もあり今後もさらに変動が予想されるもよう。
MARCH以下の日東専駒の中では、特に東洋大の伸長が著しく、’08年に5万9638人だった志願者は’17年には10万人を超えている。地方にも受験会場を設け、受験料割引を行ったり、減少傾向にあった夜間部がまだ残っていることなども人気の理由だ。
<2017年に前年と比べ志願者が伸びた大学トップ10>
大学/2017年志願者数(人)/増加数(人)
1 近畿大学/146,896/26,981
2 法政大学/119,206/17,230
3 東洋大学/101,180/16,294
4 日本大学/112,583/8,025
5 専修大学/44,462/7,926
6 京都産業大学/43,155/7,715
7 中京大学/34,696/7,065
8 早稲田大学/114,983/6,944
9 同志社大学/56,152/6,005
10 東京農業大学/34,113/5,979
※大学通信調べ
【安田賢治】
大学通信常務取締役。三十数年にわたって、大学をはじめとするさまざまな教育関連の情報を、書籍・情報誌を通じて発信。近著に『1
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