信号待ちは“休憩”あつかい…人手不足に嘆く運送業界のドライバーたち
高齢化が進む半面、フレッシュな人材はまったく定着しない。
「毎年、新卒で10人くらい雇っていたんですが、1年後に1人残っていたらいいほう。その新卒ですらここ数年は応募も減り、元同僚に聞いたら今年は5人でドライバー候補は2人。引っ越しなどで仕事が増える春にこの人数じゃ、パンクするでしょうね」
慢性的な若手不足で30代の内村さんは会社の期待を一身に背負うことに。だが、仕事量が増えても給料はビタ一文上がらなかった。
「辞めると伝えたら『給料上げる』と言われましたが、数か月放置されたので見限りました。結局、給料は12年間25万円で据え置き。知り合いの紹介で入社した手前、我慢していましたが、結局は自分が損しただけでしたね」
こうしてめでたく仕事を辞めたものの、仕事の経験はドライバーのみ。仕方なく内村さんはタクシー運転手を選択するほかなかった。
「でも、入ってみたら、僕と同じような元運送屋や元引っ越し屋ばかり(苦笑)。転職理由を聞くと、みんな『給料が上がらないのに仕事だけ増えたから』だと。その点、タクシーは走った分だけ稼ぎになるので、やりがいはあります」
そんな内村さんのこれからの目標は、「個人タクシー開業」だ。
「昔はトラックドライバーも独立して小さな運送会社を起こすなんて夢が見れたけど、今はまず無理。夢がないと人は集まらないし、業界の未来もない。大手の運送会社からオファーもありましたけど、今はタクシーを選んでよかったと心の底から思っていますよ」
― この春、マジで人が足りない ―
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