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日本遺産に認定された呉軍港には何が? カーマニア集団「MJ戦略参謀本部」伊達軍曹が往く!

 そして鎮守府は、当然ながら当時の大都市を潰して設置したわけではない。半農半漁だったド寒村に旧海軍が総力を上げて水道や鉄道を引き、そして碁盤目状の市街地をゼロから作ったのだ。つまり東京の練馬あたりのように田んぼや畑から成り行きで生まれた市街地と違い、近代都市としての素性=設計がすこぶるよろしいのである。  そのため、例えば呉では先の戦争末期、映画『この世界の片隅に』でもおなじみの大規模空襲で甚大な被害は受けたものの、それでも当時の鎮守府の建物や、市街中心部の道路や建造物の一部は「ほぼ当時のままの姿」で平成30年の今もごく普通に残され、活用されている。  そんな旧軍港4市がこのたび、文化庁から「日本遺産」に認定された。今、軍港のまちはどう変わっているのか? あるいは変わっていないのか? 我々戦後世代にとって「記憶の亡霊」と化した父や祖父たちが、確かに生きていたことを示す物証が、そこにはあるのだろうか?  以上のことをこの目で確認するため、私は旧日本海軍の第二海軍区を所轄した「呉鎮守府」が置かれていた広島県呉市を目指した(……と言うと何やらカッコいいですが、単なる軍港観光です!)。つづく

海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)

【伊達軍曹】 輸入中古車ジャーナリスト。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。愛車は新車で買ったスバルXV。輸入中古車400勝
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