天下人の美女あーるちゃんを直撃!
1位となり天下人の称号を得たあーるちゃんには250万円相当の賞品(プライズ)が贈呈された。イチナナライブを始めてから約3か月という彼女。ステージ上で現在の気持ちを問われると、「この3か月で、見てくれているたくさんの家族と、喧嘩をしたり、家出するリスナーさんがいたり。いろんなことがあったけど、みんな私のところに帰ってきてくれて。私のことを愛してくれて。本当に生まれてきてよかったと思いました」と涙を滲ませた。そして、こう続ける。
「バーチャルの世界だからこそ、人と人のつながりを大事にしたい。うすっぺらい人間関係じゃなくて、人と向き合うことを学びました。文字だけだし、顔が見えないからこそ、相手のことを知ろうという気持ちになって。こんな私だけど、離さないで見守っていてね」
総合ランキングで1位になったあーるちゃん
オーディエンスも含めて“人生の一部”だと語るあーるちゃん。その裏には、どんな思いがあったのだろうか。イベント終了後に直撃してみた。
「これまで撮影モデルをしていましたが、現在はイチナナ1本でやっています。いま25歳なんですけど、ずっと自分を否定しながら生きてきました。でも、みなさん(オーディエンス)のおかげで、こんな自分でも好きになっていいんだなって思えるようになりました」
もともと引きこもり気味でポンコツ廃人キャラと自虐的に笑う彼女だが、ライブ配信を通して、人生がポジティブに変わったという。では、イチナナライブを始めるキッカケとは?
「友人がInstagramにイチナナの様子を投稿していて気になって検索しました。これなら引きこもりの自分でも家でできるなって」
普段の配信では、くだらない雑談から歌を披露することも。盛り上げ上手なオーディエンスとのやりとりを楽しんでいるという。自分を作らず、ダメな部分も出すことで、ありのままの自分を好きになってもらえるように心掛けているそうだ。今回は1位を獲得したが、先日は世界戦にも出場。4位という結果を残した。
今後の夢や目標については、「目立つのは苦手なので、このまま引きこもりながら続けていきたい」という。週刊SPA!で水着グラビアに挑戦する可能性については「絶対に無理です!」と否定しつつも(笑)、「暇を持て余しているおじさま、いらっしゃい」とコメントを残してくれた。
会場にいた女のコたちに声を掛け、ライブ配信を始めたキッカケや魅力を聞いてみた。まずは、
乃妃takenoppiさん。
「熊本に住んでいて、震災があったときにいろんなひとに助けてもらって。私にもなにか恩返しができないものかと考えて。YouTubeなどの編集された動画ではなく、イチナナは生のライブ配信だからなにがあるかわからない。そこでみんなを笑顔にできるんじゃないかなって」
乃妃takenoppiさん
次に、10位にも入った
昌美MASAMIさん。彼女は、かつてギャル雑誌『egg』や『Popteen』などで読者モデルとして活動していたが、3か月前から17 LIVERに転身したという。
「現在はイチナナライブがメインで、生計を立てようとしています。自分が頑張ったぶんだけ、という感じですが。雑誌モデルと比べて、ライブ配信は自分でやらないといけないから大変なことも多いけど。団体行動が苦手な人でも楽しめるし、いつでもどこでもできることが魅力。オーディエンスと団結して、感動や達成感を分かち合える。そこに人間関係もある。みんな運動会を応援するような気持ちなんじゃないかな」
昌美MASAMIさん
今後について問われると、1位を目指して有名な17 LIVERになることが夢だと語ってくれた。一方で、会場にいた30代男性のオーディエンスに応援する側の意見を聞いてみた。
「好きな17 LIVERさんが、ライブ配信中にメッセージを送ると、きちんと返答してくれること。いちばんの魅力は会話ができることです。あとは、アプリのなかで“ガーディアン”と呼んでもらえること。守護騎士を意味するものですが、要するに『あなたのことを守ります』。そこにやりがいを感じていますね」
夢をもった若者はいつだってキラキラと輝いて見えることだろう。<取材・文/藤井敦年>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):
@FujiiAtsutoshi