更新日:2022年12月26日 01:14
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「好きになっちゃった」はセクハラ? 福田次官辞任から見るセクハラの境界線

実際にセクハラで訴えられたら?

セクハラ 考えたくもない話だが、万が一セクハラで訴えられた場合、どう対処すればよいのだろうか? 「実際にセクハラとして訴えられた場合、よほどひどい場合でない限り、いきなり訴訟提起されるという事例は少ないです。まずは本人や代理人から連絡が来る場合が多いので、そこで相手の主張をしっかりと理解し、自分の認識とどこが違っているのか、相手は何に対して怒っているのかを把握しましょう」  また「自分は絶対にやっていない」という場合でも、まずは弁護士に相談すべきだという。その理由とは? 「具体的な事実を把握したら、その事実が法的にはどうなのか、弁護士に確認してみた方がいいでしょう。誰もがセクハラだと思う件、もしくは思わない件であっても、法律の世界では逆の評価がされることもあるためです」  よほど悪質なものは判決まで争われるケースがあるが、悪質性の低い場合は代理人を立てておけば法廷に出廷する必要は基本的にない。なので、まずは弁護士に相談し、今後の対応を考えるべきだ。

もしもの場合の対処法

 これだけセクハラ問題が取り上げられる中、女性の間で「今まではイヤと言えなかったけれど、もう我慢しない!」という流れが起きつつある。男性側としては、合意だったと思う行動でも訴えられかねない状況だ。もしもに備え、対処できる自衛方法はあるのだろうか? 「セクハラ問題に関して、『合意だった』ことの証拠があれば安全度は増しますが、この証拠は容易に収集できるものではありません。  なぜなら、結局は内心の問題なので、『(録音等があっても)本心ではなかった』『仕事の関係上そう振る舞うしかなかった』等の話をされることが多々あるからです」  合意と思っていても双方に認識の違いがあったり、手のひら返しされるケースもあるようだ。「合意であった」証拠を残すのは大変だという話だが、具体的にどうすれば自分の身を守れるのか? 「・食事を誘う際など、経緯についても記録を残す(口頭ではなくLINE等でやり取りを残す) ・その際に相手の意思決定に任意性を持たせる ・直接会う際の会話は録音を取る ・食事等を終わった後でも、嫌ではなかったことの確認を記録に残す 等のことが必要になってくると思います」  備えあれば憂い無し。好意を寄せている相手に対して、このような準備を行うのは何とも悲しいが……。  調子に乗って発言した一言が、人生を崩しかねない。その一言にはらむリスクはどれほどのものなのか。自分の言動を今一度見直してみて欲しい。<文/日刊SPA!取材班> 【若林 翔】 弁護士。慶応義塾大学法科大学院修了。2014年に新宿で弁護士法人グラディアトル法律事務所を創立。一般民事事件や刑事事件、ベンチャー企業法務、インターネット法務、仮想通貨に関する法務のほか、ナイトビジネス経営者の顧問弁護士としても活躍。男女トラブルに関する法務に精通している。 ― セクハラ四季報 ―
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