タワマン住民が過酷な生活に悲鳴…「買わなきゃよかった」と後悔するワケ
一方、東京で“タワマン銀座”といえばやはり江東区の豊洲だろう。同地区のタワマンに住んで6年になる蛯名光一さん(仮名・44歳/会社員)の過酷な通勤は、タワマンを出る前から始まる。
「朝はエレベーターを5分以上待つこともザラ。やっと来たと思っても満員で乗れないこともある。入居開始直後は、多くの世帯が新婚夫婦のふたり暮らしだったのが、5年もたつと子供が生まれ保育園や学校へ通い始めるので、エレベーターのキャパが足りなくなった。予想外でしたね」
タワマン生活の意外な過酷さを痛感しているのは、毎朝通勤するお父さんたちばかりではない。4年前、東京・中央区勝どきのタワマンに入居した、主婦の野上裕子さん(仮名・37歳)は話す。
「都会的な暮らしにあこがれてタワマンを買ったのに、住んでみると極度のムラ社会でした。毎月のように催される自治会のイベントや、ラウンジ・ジムなどの共有施設で住人同士が交流する機会も多い。『〇〇号室の旦那さんは転職したらしい』とか『△△ちゃんにはもう生理が来た』とか、噂話もすぐに広がる。マンション内では常に誰かに見られている気がして、夜、ちょっとコンビニに行こうと思っても化粧や服装に気を使わないといけないんです」
3年前に新豊洲の物件に入居した自営業の三上陽介さん(仮名・41歳)の証言は、そんなムラ社会の結束力の強さを物語る。
「ウチのマンションのロビーは、完成して1年弱なのに、タイルの継ぎ目から水が漏れるという“事件”が起きた。自治会は管理会社に修繕を依頼したんですが、同時に住民には、かん口令を敷いた。欠陥住宅という噂が広がれば、資産価値が下がりますからね。書面に残すと証拠が残るから、各戸に口頭で説明して回ったそうです」
― タワマンの悲劇 ―
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