更新日:2022年12月30日 09:27
仕事

実働300時間で手取り15万円…カリスマIT社長の下で働く超絶ブラックな職場環境

不倫、強制出勤……モラルゼロの職場に転職を決意

 入社から3か月が経過したある日、阿部さんが出社すると、部長から「ネクタイが曲がっている」という理由で近所のカフェに連れていかれた。そこで罵声を浴びせられてから一気に部長のパワハラが加速したという。 「今思えばおかしな理由でタバコも吸い始めました。喫煙者はタバコ休憩を取れるのですが、非喫煙者が休憩しているとサボりと怒られるんです。元々タバコ嫌いだったのですが、休憩したいのとストレスも相まってヘビースモーカーになりました」  加えて、有能だったという他部署の部長は同僚女性と不倫。自らが開発した、盗撮画像を集めたというアプリに、ホテルで撮影した不倫相手との密会画像をアップしていたという。

退社を決意した東日本大震災時のドン引きエピソード

 入社して2年が経った頃、そんな阿部さんに転職を決意させる決定的な出来事が起きた。東日本大震災だ。オフィスが停電し事務所に籠城する社員に対し、部長から衝撃の一言が放たれた。 「お前ら、これでいくらでも働けるな」  震災翌日、日本中の多くの企業が社員に自宅待機という指示を出す中、上司からどんな手段を使ってでも会社に来いとの指令を受けた阿部さんは、東京郊外の自宅から自転車で2時間かけて出社したという。 「もう限界でした。震災から半年ほど経った時、食事に行くふりをして他社の面接を受けるという形で転職活動を開始しました。幸い、転職は上手くいき、同じIT系でもホワイトな職場で働いています」  どこの会社にも、長時間労働やパワハラ、モラハラが存在するのは否めない。しかし高給であるため、じっと堪えて留まっているという人も少なくないだろう。  しかし、それらに「低賃金」や「洗脳」といった要素が加わった場合、「3年は辞めないで我慢しろ」という下手な意見は無視し、いち早く転職するのが良策なのかもしれない。<取材・文/武にちほ> ― 本当に実在した! 隣のブラック上司たち ―
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