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ガーナ戦完敗の日本代表、“8年前の奇跡”と比べた3つの大苦難

③冷めきったサポーターの支持を取り戻せるか

 最後はサポーターの違いについて触れておきたい。確かに南アフリカ大会でも、戦術や戦略をめぐってサポーター同士が侃々諤々(かんかんがくがく)とやりあっていた。特に中村俊輔選手(39)の処遇については激しい議論が繰り広げられた。ただし、考えは違っても、代表の勝利を願うという一点では一致していたのだ。  ところが、今大会は様子が違う。今後のことを考えれば、ロシア大会は惨敗したほうがいいと訴える声が少なからず聞こえてくるからだ。その理由としては、ハリル氏の解任に至る経緯や、サッカー協会の対応。さらに特定選手の発言など、様々な要素が考えられる。ひとつ言えるのは、サポーターはかつてないほど冷めているということだろう。  ガーナ戦後の大ブーイング。あれは怒りから出たものではなく、むしろ不甲斐なさを承知の上で冷笑する価値すらないとのメッセージだったのではないか。これは、代表が味わったことのないタイプの屈辱に違いない。  このように、かつてないほどの苦境に立たされている日本代表。だが、そんな大ピンチから一転、ベスト8進出以上の大躍進をとげようものなら、西野ジャパンは間違いなく伝説となる。  “西野ジャパンとは、ケイスケホンダですね”と意気揚々と語るあの選手の姿を、いまから楽しみにしていようと思う。がんばれ、ニッポン!! <TEXT/石黒隆之>
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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