更新日:2023年03月12日 08:30
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バイトに明け暮れる外国人留学生の絶望「稼がないと生活できない…」

留学生=労働力という矛盾した発想

 ここまで切迫した状況でなくとも、週28時間の枠を超えて働く留学生は多い。都内の某私立大学に通いながら、英会話教室で働くのは、アメリカ人のリズ・メイヤーさん(仮名・27歳・女性)だ。家賃7万5000円、駅近のワンルームに暮らすリズさんの環境は、朴さんやリンさんに比べれば恵まれている。しかし、友達と遊びに出かけたり、これだけの広さの部屋で暮らすには、バイトは欠かせない。 「もっと家賃の低いシェアハウスに住んでいたこともありましたが、周りがうるさくて勉強もできないし、ゆっくり休むこともできませんでした。今は週5日5時間ずつ英語を教えています。土日に人が足りなくて出勤すると28時間をオーバーしますが、そこは教室側がシフトをうまくごまかして……」  勉強をしにきたはずの留学生が、仕事に忙殺されている……。この歪な状況は改善するどころか、さらにエスカレートしそうだ。 「新聞配達の現場なども留学生なしには成り立たなくなっています。就労の上限を28時間から引き上げようとする動きもありますが、それこそ本末転倒。そもそも留学生を労働力として活用する発想がおかしい。こんな矛盾した制度は世界でも珍しいです」(出井氏)  留学生という言葉の意味が、根底から変わっているのだ。 ― 出稼ぎ留学生の実態 ―
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