雑学

大人の発達障害と、ただ生きづらい人の違いは?当事者が感じる境界

 かつては未成年の問題だと思われてきた発達障害が、「大人の問題」として急速に認知され始めている。メディアでの露出も増え、自分や周りの人間に対して「実はそうなのかも」と思った人もいるのではないか。果たして「大人の発達障害」を抱える社会人たちの現状とはどんなものなのか。生きづらさを抱える大人たちの姿に迫った。

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当事者が考える「発達障害者」と「そうでない人」の違いとは?


 生きづらさを抱える当事者が思う、「発達障害者」と「そうでない人」の決定的な違いとは何なのだろうか。

 週刊SPA!は今年6月、発達障害の当事者(自覚症状がある“グレーゾーン”の人たちも含む)300人にネットアンケートを実施。「ボーダーラインはどこにあると思いますか?」と尋ねてみたところ、「周りが普通だと思っている、当たり前のことができない」という部分に壁を感じているようだ。

「もっともわかりやすい違いは、結婚できるか、恋人や友人をつくれるかということ。相手の気持ちを察することができない、空気を読めない僕ら当事者にとって、世の中で“普通”とされているコミュニケーションを取り続けるのが、かなりキツイ」(36歳・IT)

「言っていることを理解するのに時間がかかるのに、一気に何かを言われると脳の処理速度が追いつかずにパニックになる。だから同僚たちが普通に仕事を何個も同時進行していると、素直に『すげえな……』とひたすら感心してしまいますね」(42歳・サービス業)

「人との交流や空気を読む力、仕事の取り組み方など、一般の人々にはプリインストールされているアプリが、発達障害の人にはインストールされてない。だから普通の人が自動的にできることも、私たちは一つひとつ手動で行わなければいけない」(43歳・IT)

 一般社会ではできて当然だと思われていることでも、当事者にとってはやはり大きな壁になっている。しかし、そもそもみんなにとっての“普通”とは何なのだろう。

 ある当事者はこう分析する。

「極端にひどい症状の人はいるが、それは程度の問題で、誰しもが発達障害的な特徴は持っていると思う。明確なボーダーラインはない。みんなどこかしら、変なところはあるから」(40歳・製造)

 オフィスの隣の席で、いつもミスをして困っている同僚がいたら、あなたはどう声を掛けるだろうか。もしくは自分がそうかもしれないと思ったとき、周囲に伝えるか。生きづらい社会で試行錯誤は続く。

取材・文/SPA!発達障害取材班 撮影/水野嘉之
― 大人の発達障害 ―




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