更新日:2023年03月12日 08:31
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55歳で年収420万円「上司運がなかった」…派閥トップの不正で人生転落

50歳を目前にした社員を対象に「たそがれ研修」を実施する企業が増えている。背景には会社員人生のゴールが見え、無気力なお荷物社員化してしまう50代が増えたからだ。彼らはいかにして負け組50代になってしまったのか。

派閥のトップが不正! 玉突き人事で出向⇒転籍で年収激減

…辻 謙治さん(仮名・55歳)/ビル管理会社/年収420万円
サラリーマン転落人生

※写真はイメージです

 政界と同様、会社内にも派閥は存在し、どこに所属するかで出世の可能性は大きく異なる。5年前まで中堅不動産会社で課長と勝ち組だったはずの辻謙治さんだが、今では雑居ビルの管理人だ。 「出身大学の先輩だった専務の一派で、『俺が社長になったら部長にしてやる』と言われていました。ところが、過去に専務が下請け相手にキックバックをしていたのがバレて失脚。私は一切知らなかったことですが派閥は解体され、グループの中心メンバーはほぼ全員が本社追放。私は子会社のビル管理会社に出向を命じられました。同じ派閥だった仲間のなかにはショックでうつ病になって会社を辞めた人間もいたほどです」  十数名の部下を束ねる立場から一人きりの管理人業務と、天国から地獄を味わったわけだが、最初の2年間の年収は出向前と同じ650万円。しかし、その後さらなるどん底に落とされたという。 「出向から転籍になり、ビル管理会社の賃金形態となって年収が420万円に大幅ダウン。ウチは子供2人がすでに社会人になっていたのが不幸中の幸いでしたが、高校生と中学生の子供を抱える転籍組の元同僚は、マイホームを売るハメになったそうです」
辻さんの軌跡

専務の不正発覚後は、地方営業所への左遷→子会社への出向→転籍と段階的に転落。「解雇同然の自主退社も覚悟していたので、それよりはマシ」と辻さん

 ただし、辻さん自身は、負け組転落の原因をつくった専務に対する恨みや憎しみはないそうだ。 「土下座して謝られたので何も言えませんよ。専務のおかげで能力以上に早く昇進できたし、何度もいい思いをしてきましたから。まあ、最後の最後で上司運がなかったのでしょうね」  現状についても「50歳で定年し、再就職した職場だと思い込むことで自分を納得させている」とか。 「管理人の仕事はラクで、残業も一切ないので。それに今は孫がいるので、その成長を間近で見ることができるのが何よりの楽しみ。出向がなければ忙しくて一緒に過ごす時間はなかったですから」  サラリーマンでは負け組でも家庭では勝ち組のようだ。 ― 負け組50代になる人の特徴 ―
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