「夏バテで倒れて死にかけた」 エアコン、睡眠…5つの危険サイン
また、トレーニングをして体力づくりをするのも夏バテ対策には有効。ジムやサウナなどで汗をかきやすい体質にすることが自律神経の働きにも効果的なのだ。
「ただ、オーバーワークには注意してください。翌日にも疲れが残るようだとそれはやりすぎ。ヤル気の減退などは体からの“休め”というサインですから、夏バテを感じたら素直に休むことが一番効果的なんです」(梶本氏)
夏は仕事だけでなく休日も活動的という人は多い。だが、疲れを押しての活動は夏バテの加速につながる。梶本氏は「自律神経の機能は年齢とともに低下し、40代は10代の半分以下」と話す。
若い頃と同じ感覚で夏をエンジョイしていては自律神経の疲れが抜けず、“キラー夏バテ”のリスクが増してしまうというわけだ。
《キラー夏バテの危険サイン!》
1 ヤル気が出ず、飽きっぽくなる
普段好きなゲームで遊んでも、なぜかすぐに飽きてしまう……。そんな“飽きやすさ”は疲労、そして夏バテの兆候のひとつ。何をする気も起きなくなれば、いよいよ本格的な夏バテだ。早めに休養を
2 寝汗が止まらず、暑さで目が覚める
睡眠中は自律神経を休ませる貴重な時間。にもかかわらず、暑くて寝汗をかいていては休むどころか自律神経は活発に活動中だ。自律神経が睡眠によって休んで回復しなければ、夏バテは加速する一方
3 寝つくためにお酒を飲んでしまう
アルコールは自律神経を麻痺させる効果を持つ。一時的には眠くなるが、分解されるとむしろ目覚めやすくなり、熟睡ができないどころかかえって疲れが溜まるだけになるので夏の寝酒は避けるべし
4 エアコンの風を肌に当ててしまう
冷気を肌に直接当てると低体温の原因に。さらに脱水症状も招きかねない。エアコンを付けて寝る際は、風が直接肌に当たらないように気をつけて、室内に風が回るように配慮する工夫が必要だ
5 外出する前に冷感スプレーを使う
冷感スプレーでは実際の体温は下がらない。暑い屋外への外出前に使うと“体温は上がるが体感温度は低いので体の体温調整機能が働かない”という事態を招き、熱中症のリスクを高めてしまう
【梶本修身氏】
大阪市立大学医学部疲労医学講座特任教授、東京疲労・睡眠クリニック院長。『すべての疲労は脳が原因』(集英社新書)など著書多数。メディアでも活躍中
【田中英登氏】
横浜国立大学教育学部教授。体温調節機構や熱中症予防などの専門家。主な著書に『知って防ごう熱中症』(少年写真新聞社)、『熱中症』(汐文社)など
― 死を招く[キラー夏バテ]の正体 ―
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