恋愛・結婚

女子高生が30代貧乏おじさんに恋した理由…6年後の結末が泣ける

メールだけの関係が数年、そして…

 それからNさんは何度も食事やデートに誘ったのだが、ポジティブな返事をもらえることはなかった。「ガキに興味はない」の1点張り。しかし、メールだけでもじゅうぶんに楽しく、ずっと恋人気分だったという。  それから結局、顔を一切合わせないメールだけの関係が2年近く続いた。 「受験先に迷った時、バイトや大学での人間関係に悩んだ時、親と喧嘩した時、なんでも相談にのってもらい、彼のアドバイスをなにより尊重していました。決して長文ではないのですが的確で、間違いもなかったんです」  成人式の晴れ着姿をメールすると、返信に珍しく添付画像が。 「花束でした。特別に大きいブーケではなかったのですが、もう嬉し泣きが止まらず。実際に受け取りたいと言うと、意外にもOKがもらえたんです」 花束 成人式のあと、同級生との飲み会もそこそこに彼のアパートへ。 「初めて顔を見合わせながら話をしました。多少は緊張しましたけど、毎日メールしていましたから違和感はなかったです」  その後、彼氏のようなお兄さんのような、なんともいえないフンワリとした関係になったそうだ。 「彼のほうが私に踏み込んでこないんです。この先、ほかにもっと好きな人が必ずできるよ、いつでも別れられるようにしておこうって、ケロッと言い放つんです」  ところが、淡々と過ごす彼に対し、Nさんのテンションは高いまま。 「束縛せず、俯瞰で私を見てくれるのが頼もしくて、彼なしでは何も考えられないし、決められもしない状態がずっと続いていました」

6年越しの恋の結果、40代になった彼と結婚へ

 ファーストコンタクトから6年以上経過し、Nさんは立派な社会人になった。 「少しは経験を積み、いろんな人と出会いました。だけど、彼以上に素敵だと思う人、好きになれる人はいませんでした。これからもいないでしょう」  ブランドバッグを買ってもらったり、高級ホテルに泊まったりといった、憧れの恋人生活は送れなかった。しかし、子どもから大人になろうとする難しい時期を、ずっと見守ってくれた彼への思いは深い。 「私のスーツ姿もだいぶ板についたと思っています。実は先日、両家の顔合わせを済ませました。最初は猛反対していた私の親も、今では納得してくれています。あとは孫の顔でも見せれば文句なしでしょうね」<取材・文/金井幸男>
編集プロダクション勤務を経て、2002年にフリーランスとして独立。GETON!(学習研究社)、ストリートJACK(KK ベストセラーズ)、スマート(宝島社)、411、GOOUT、THE DAY(すべて三栄書房)など、ファッション誌を中心に活動する。また、紙媒体だけでなくOCEANSウェブやDiyer(s)をはじめとするWEBマガジンも担当。その他、ペットや美容、グルメ、スポーツ、カルチャーといった多ジャンルに携わり、メディア問わず寄稿している。
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