宮台真司氏『社会がつくるセーフティネットはジモト以外にありません』

社会がつくるセーフティネットはジモト以外にありません

【宮台真司氏】
40歳・社会学者、評論家。首都大学東京教授。『愛の授業(仮)』が近日刊行、そのほか、『日本の難点』『14歳からの社会学』『日本流ファシズムのススメ』など著作多数)

「日本にはジモト以外に頼りになるものはないんです」と断言、社会学者で首都大学東京教授の宮台真司氏も、今、住む街の[ジモト化]計画を推奨する。

「”去るものは日々に疎し”という言葉が象徴するように、日本人には自明性が大事。慣れ親しんだものの変化に対して抵抗が強い一方、一度、変わってしまえばすぐに適応し、新しい慣れ親しみとなる。人間関係も同じ。血縁も昔の友達も当てにはなりません。社会の中で人と人との支え合いが必要な人は土地に頼るしかない。国が行うのではない、社会がつくるセーフティネットはジモト以外にありません

 しかし、同時に宮台氏が強調するのは、「地域に絆を築くことは、すなわち、何かしらのコスト――絆コストが伴う」ということ。

「町内会に属せば、ゴミや回覧板といった当番がある。都合が悪いときはご近所さんにお願いし、お土産を持ってお礼に行ったり。これが絆になっていくんです。便利さを追求する人は、絆コストを払えませんから、当然、ネットワークに入ることはできませんよ」

 新住人は絆コストを支払う一方、「受け入れる側の旧住人の側は閉鎖性を緩め、地域にコミットする手立てすらわからない新住人にアクセスしていく」そうして、セーフティネット足りえるジモトができていくのだ。

「それでもやっぱり、『面倒くさい』という人もいるでしょうし、それはそれでひとつのリアルだとも思います。しかし、長期的に考えたら、必ずツケは回ってきます。病気になったら、年老いたら、どうするの?という話です。便利さや気楽さに、いつまでも乗っかってはいられないのですから」

 時間もかかるかもしれない、ときに鬱陶しいかもしれない。それでも、ジモトがもたらしてくれるものは少なくないはず。

― 住んでる街の[ジモト化](近所の仲間づくり)計画【9】 ―

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