更新日:2012年03月22日 19:06

鈴木謙介氏『かけがえのなさを求める気持ちと「うざい」と思う気持ちのバランスを』

かけがえのなさを求める気持ちと「うざい」と思う気持ちのバランスを 【鈴木謙介氏】 ’76年生まれ。関西学院大学社会学部助教授。社会学者。TBSラジオ 文化系トークラジオ~『Life』のパーソナリティ、NHK教育『青春リアル』への出演など多彩に活躍  ここまで7人の「ジモト賛歌」を見てきたが、関西学院大学助教授で社会学者の鈴木謙介氏によると、「グローバル化が進めば、地元やローカルにしかないモノや人の価値が浮き上がる。ネットや携帯なども普及し、いろいろな人と繋がることが可能になった故に、誰かに認められたい、かけがえのない関係を築きたい、そういう思考が擬似地元――ジモトづくりに動くのは当然の動き」なんだとか。 「僕も含め、20代後半から30代後半の団塊ジュニア、ポスト団塊ジュニア世代は、郊外育ちの第2世代。夏休みに連れて行かれるジイチャンの家で田舎のよさも感じているし、親戚づきあいのうざさも知っている。でも、育ったのは親がそのうざさから逃れた郊外。だからこそ、”地元”ではなく”ジモト”を希求するのでは」  いわば「いいとこどり(笑)」(鈴木氏)なわけだが、やっぱり、駅前の居酒屋の店員の雑なタメ口や、よく行くコンビニのオバチャンとの世間話ですら妙に居心地のよく感じるのも事実だ。 「こうした地域やコミュニケーションの話って、ともすると、ネットvsリアル、地方vs東京、伝統vs郊外といった対立軸で語られがちですが、決してそんなことはない。実際、携帯にしてもネットにしても、親しい人とリアルにつながるためのツールでもあるわけですから。カネかヒトの輪か?という問いかけも同じで、二択ではなく、両方ないと社会は回らない。バランスなんですよね」  ジモトが”癒しのシェルター”となるかどうかも、「かけがえのなさを求める気持ちと、うざいという気持ちのバランス次第」  面倒くささも全部引き受けてハイリターンを求めるか? うざさを回避、ちょびっとだけジモトに入りこみローリターンでいくのか? それを自分で選べもするのが、ジモトなのかも。 ― 住んでる街の[ジモト化](近所の仲間づくり)計画【8】 ―
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