美味しいお店に通うだけなのに、気づけばジモトに仲間が
飲み屋で誘われ草野球チームに
美味しいお店に通うだけなのに、気づけばジモトに仲間が
<山本達也さん(36歳、会社員)>
青空の下、公園の芝生で語らう野球のユニフォーム姿の一団。ビール片手に皆ご機嫌だが、時間は朝の8時! 日曜の早朝6時から練習試合を行い、すでに一汗かいた後。その”反省会”の最中である。
一団は東京・世田谷区の野球チーム「うさぎ」のメンバー。11年前、豪徳寺駅前にあったおでん屋台「うさぎや」に偶然使い古しのグローブが持ち込まれたのをきっかけに、飲み仲間で結成された。元高校球児から初心者まで、小学生から60代まで30人が所属し、月2回ペースで集まっている。
山本達也さんは3か月前から参加したチームでいちばんの新人。「まだ慣れなくて三振も多い」と恥ずかしそうだが、「絶好調!」などとメンバーにイジられながら、和気あいあいとプレーしている。
独身の彼はもともと地元飲み派で、新しい街に住むと必ず地元の店を開拓する。このチームも、よく行くバーで前監督と親しくなり、誘われたのがきっかけだという。
「会社近くの恵比寿や渋谷にも飲み屋あるけれど、ひとりでも入れる地元のこじんまりとしたお店が好きなんです。雰囲気がよさそうだなあと思えばとりあえず入って、料理や酒が美味しくって、お店の人の感じがいいと通うように。顔を覚えてもらえて、段々話すようになり、お店の人を介して常連さんとも話すようになるんです」
別に仲間をつくるために通うわけではなく、あくまで、おいしいお酒と食べ物ありき。でも、楽しく食べて飲める場所で会う人は、自然と友達になれるものらしく、気がつくといつも馴染んでいるという。
「今は地元での時間がプライベートタイムの大半を占めていますね。仲良くなるとだんだん家に招かれたりもするようになって、最近は引っ越しを手伝ったりもしました(笑)。このチームはある程度のルールや役割があるけれど、笑いが絶えないのがいい。正直、眠いですけど(笑)、体を動かすのも楽しいですし、マイペースで続けられれば」
無理せず、自然体な山本さん。これ、地元デビューの理想形といえるのでは?
― 住んでる街の[ジモト化](近所の仲間づくり)計画【6】 ―
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