更新日:2021年11月30日 08:35
恋愛・結婚

平日にラブホテルを30分だけ使う、即行カップルが急増したワケ

ダブルベッド

早期退出客が多いのは水曜日

 清掃歴10年以上のベテラン、町田隆之氏(仮名・42歳)は次のように語る。 「ウチは休憩タイム2時間なんですが、以前は退出時間ギリギリまでいる客が多かった。最近は1時間もたたずに帰ったり、それこそ30分以下の人も珍しくありません。上はワイシャツやポロシャツに下はスーツパンツと、クールビズ風な見た目なので、おそらくサラリーマンでしょう」  町田氏によれば、こういった早期退出客が特に多いのは水曜日だという。果たして本当にラブホの“ファストフード化”は進んでいるのか? そしてその原因は?  さっそく取材班はとある8月の水曜日、3か所に分散して渋谷のラブホ街で張り込み調査を行った。時間帯は15時から19時の4時間。夕方とはいえ、まだまだ暑さの残るラブホ街で、入退出していくカップルの背中を追い続けた結果……。  各地点で入室したカップルの数は30~40組。そのうちおよそ3割が1時間以内、全体の約1割が30分以内に退出していた!  渋谷のラブホで清掃係をしている大野亮太氏(仮名・33歳)によれば、「日によっては早く出る人の割合がもっと高いこともある」そう。また、町田氏が指摘したとおり、クールビズ姿の会社員と思しきカップルが多い。 「サラリーマン風の人は午前中にも来ますが、50~60代っぽい人が多いです。女性も同年代で不倫カップルといった感じですね(笑)。夕方、入って1時間もたたずに出る人はもっと年齢層が低く、30~40代が多い印象です」(池袋某ホテル・受付係)

カラダをスッキリ。ノー残業デーを満喫

 では、いったいなぜ彼らはすぐに出ていくのか? 大野氏は意外な推測をする。 「サラリーマンっぽくて、水曜の夕方から特に多い……。ノー残業デーだからじゃないですかね?」  なんと働き方改革がラブホの利用法に影響しているというのだ!  経団連が’16年に発表した「ワーク・ライフ・バランスへの取り組み状況」によれば、67.8%の企業が「ノー残業デーの徹底」をしているという。法律で制定されている制度ではないので運用状況は企業によって異なるが、官公庁は水曜日に設定しており、週の真ん中ということもあってそれに倣う企業も多い。  この仮説の真偽を検証するべく、1時間もせずに退出したことがあるというラブホユーザーの声を集めると、次のようなコメントが。 「水曜日は早めに帰されるので、仕事終わりにカミさんとデートすることが多い。ただ、夜までベタベタしたカラダで過ごすのはしんどいので、ラブホで一戦、ひとっ風呂浴びてから遊びにいくんです。23区外に住んでいるので、地元は遊ぶ場所が限られるし、一度帰ってから都心に戻るのも面倒。月に2回ぐらいはそうやってラブホを使っています」(男性・35歳・公務員)  せっかく入ったなら、目いっぱい休んでいけばいい気もするが。 「僕もはじめは料金がもったいないと思いました(苦笑)。でも、いったん行為が終わると、あとはダラダラ過ごすだけですからね。終電までには帰りたいですし、『遊ぶ時間がなくなる』と尻を叩かれるので……」(同)
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ラブホはゴールではなくスタート地点に
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