荻上チキ氏が語る『これが、今の[クチコミサイト]の問題点だ!!』
IT識者が分析する[クチコミサイト]のここが落とし穴
ここまで、数多くの[クチコミサイト]における裏事情を紹介してきたが、では実際にどのように利用するのがいいのだろうか? そこでIT識者である3氏に登場してもらい、同サイトの落とし穴を検証してもらいつつ、理想的な利用方法を教えてもらった。[クチコミサイト]に不安を感じ始めたみなさんは、必読ですよ!
荻上チキ氏が語る!
これが、今の[クチコミサイト]の問題点だ!!
有名だからといって一つのサイトしか見ないのが、そもそも間違い
「同じような褒め方をしてたり、店側の売り文句と似通ったレビューは信用できません。特に料理レシピのクチコミサイトは、レシピの性格上、パクリが横行しやすいが、ひどい投稿者になると、料理の写真がグニャっと曲がってたりする。料理雑誌の写真をデジカメで撮ったものと丸わかりですよ(笑)」
ネット上の「事件」への批評で知られる荻上チキ氏は、クチコミサイトの現状にこう苦言を呈した。さらに、サイト自体の信頼性も考慮するべきとして、その目安を教えてくれた。
「フリーアドレスで会員登録できるようなクチコミサイトは、複数アカウントが取れてしまい同一人物の多重投稿が可能なので、どうしてもサクラやヤラセを呼びやすい。とはいえ、入口の部分を厳しくしてしまうと、人が集まりにくくサイトを運営しにくい……。運営側にすれば、悩ましいところですね」
さらに個人のヤラセに限らず、’05年頃からは、企業がブロガーをPRに利用する「バズ・マーケティング」を用いた、企業絡みの”ヤラセ”も増えた。
「そんなダークなものでもないですよ。PRをしたい企業と有名ブロガーの仲介をする会社もあるくらいで、通常、ブロガーもPRと明かして記事を書きます。ただ、宣伝なのを隠して提灯記事を書いたりすると、バレてたいてい燃えます(笑)」
クチコミサイトでは、有名ブロガーやカリスマレビュアーの影響力は絶大だ。
「ブロガーはネタと賞賛を欲するもの。この2つをバズ・マーケティングは与えてくれるので、両者のマッチングはいい。ただ、レビュアーには商品や食事がタダになる程度の報酬はあるものの、一方でネットはエラーに厳しい世界。下手をすれば炎上するリスクもあり、書く側はハイリスク・ローリターンですよ」
では、サクラやヤラセを見抜くにはどうすればいいのか。
「一つのクチコミサイトだけで信用するのは、まずナシですね。レビュアーの評判、サイト自体の信頼度を検索し、さらに、その商品や店の評価を別のクチコミサイトでも検索し、検索を重ねる。まぁ、でも僕は、「よかった」「美味しい」というレビュー自体、一切信用しませんが。誰もお前の感想など聞いてない、ということですよ(笑)」
【荻上チキ氏】
ブログ炎上、ネットいじめなどネットの諸問題に精通する批評家。専門はテクスト論、メディア論。『社会的な身体 振る舞い・運動・お笑い・ゲーム』(講談社)ほか著書多数
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