高収入、高身長、イケメン。そしてダメ押しの大手広告会社勤務。ハイスペックな坂口さんには、当然それに見合う女性が寄ってくる。まさしく、「類は友を呼ぶ」である。しかし、そんな女性が寄ってくるため、それゆえの悩みも多いという。 「今まで付き合った子はモデルやCAなど割とプライド高めの子が多かったんですけど、それにも疲れてきちゃって……。元カノに『花火大会をクルーザーで見たい！』と言われて予約してあげたけれど、自分はそんなところにあまり高いお金を遣いたくないというか。 　実は僕、花火は屋台で焼きそば買って、地べたでビール飲みながら見るみたいな、普通のデートの方が好きなんです。モデルの子と付き合っているときは、スーパーフードのレストランに連れていかれて全然おいしくないご飯を食べさせられたり（笑）。確かにみんな顔もスタイルも完璧でしたが、自分が無理してまで付き合うこともないかなって。 　全然、普通の女の子でいいのにそういう子達からは『遊んでそう』と敬遠される。男友達からはナンパ要員として駆り出されることもあるので正直遊んでいるほうがラクなんですけど、もう33なのでそれも微妙かなと。親からは『もう出来婚でもイイから結婚して』とプレッシャーかけられるし、もう海外にでも現実逃避したい気分ですよ」 　普通の女性など星の数ほどいると思うのだが、なかなかいい出会いに巡り会わないと言う坂口さん。ハイスペックな女性と付き合いすぎて、普通の基準が高くなっているのではないかと疑うのだが…。 「平日はあまり飲みにも行かず、家で読書や動画鑑賞などをする」。ハイスペックな女性との交際を繰り返す坂口さんだが、実はこんなインドアな一面を持っている。自身の高いハイスペックがゆえに派手な女性との交際が多いが、実は性格的にそういった女性との交際は向いていないのかもしれない。 「プライドが高くなく僕の仕事が忙しくても浮気しない子なら問題ないです。結婚に対してそこまで興味はないんですけど、自分が無理しない相手が理想ですね」 　ハイスペ女は完璧な男を求める。求められる自分と現実の自分とのギャップに疲れてしまい、結婚から遠のいてしまう男は少なくない。ハイスペ男の結婚は一筋縄ではいかないようだ。＜取材・文／結城＞ ――シリーズ―「結婚できない男のため息」vol.1―― 【結城（ゆうき）】 恋愛ライター。鋭い視点で世の男女を観察し、夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。Twitter：＠yuki55writer