そして半年前には、店で初対面の女性と出会い、わずか1時間以内にお持ち帰りというミラクルも成し遂げている。ただし状況が劣悪なときも……。 「この街では出会った男女がホテル街に消える……そんな光景はよく見かけていました。その日も元ヤリマンのママの店で飲んでいたら、終電を過ぎる頃にアラサーの女性が来ました。どうやらこの店が4軒目だそうで、かなりの酩酊状態。ママもちょっと対応に困っていたところ、彼女が『もう寝たい、早く寝たい……』と言い出して、偶然横に座っていた僕に抱きついてきたんです。ママも閃いたように『よし、酒井ちゃんなら安心かな。しっかり連れて帰ってね！』と言うから、そのまま……。 　でも、女性は部屋に着いたら吐き続けてしまい、ずっと介抱していたんですよ。翌朝、申し訳なく思ったのか、『あのさ、する？』と誘ってきましたよ（笑）」 　その後、この女性とは2～3回ほどホテルで関係を持ったが、その後は音沙汰なし。時々、飲み屋街の通りを歩く彼女を見かけるが、特に声をかけることもないと話す。 「聞いた話では、現在はまた別の店で知り合った男性と関係を持っているそうです。この街で知り合っても、男女ともに奔放なことが多いから真剣交際にはなかなか発展しづらいと思う。でも、こういう一期一会的な一夜もたまにあるのが魅力。ラッキーを狙って、通い続けたい」 　今日も酒井さんは、エロい女との出会いを求めさまようのだった。 ― 中高年の［リアル恋愛］白書 ―