更新日:2019年01月11日 16:04
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豊洲新市場は年末にパンクする!? 1.5倍になる取扱量に耐えられるのか

土壌汚染、地盤沈下、市場内の温度上昇…と問題が多々

 最悪のシナリオも考えられる。豊洲の土壌汚染問題などを早くから追及してきた建築エコノミストの森山高至氏が話す。 「私がかねてより指摘してきた構造的な問題もすでに顕在化しています。まず、排水溝が狭いうえに浅すぎて詰まりやすい。こまめに掃除しないといけないから、市場関係者は手間がかかってしょうがない。 それ以前に、豊洲の排水処理能力が低い。台風が直撃した9月には仲卸売場棟の敷地のマンホールから水が溢れ出るトラブルも起きていました。豊洲の床積載荷重が低すぎるためか、すでにあちこちでひび割れが生じているし、地盤沈下も起きている。密閉空間だから低い温度を維持しやすいと言われてきましたが、シャッターの開け閉めが頻繁に行われるので逆に暖かい空気が流れ込んで市場内の温度が上昇する問題も起きています。 駅から歩くし、水産仲卸売場から青果仲卸売場までの移動距離が長くて仕入れには不便。現状、豊洲を利用するすべての人にとって、築地に勝る魅力が感じられないんです。東京都は2023年度までに水産物取扱量を1.6倍に増やす目標を掲げていますが、むしろ減少して存在価値を失う可能性さえあるでしょう」  もちろん、「慣れれば使いやすくなる」「築地よりもきれいというだけで優れている」と評価する市場関係者もいたが、ごくごく一部にすぎなかった。果たして、混乱なく年を越すことができるのか……?  豊洲が築地以上に話題のスポットとして注目を浴び続けるのは間違いない。

築地場外市場の客足が急低下して“共倒れ”も!?

 10月13日は築地場外市場「秋まつり」が開催されたため、築地市場なきあとの場外市場は賑わっていたが、串焼き店店主によると、「豊洲開場初日と翌日は客足が激減して、売り上げが今までの半分以下に減った」とのこと。そのため、「豊洲も築地場外市場も、両方ともダメになりかねない」(場外市場の乾物店店主)という声も聞かれた。

市場関係者に聞いた豊洲のいいところ悪いところ

▼いいところ ● (できたばかりなので)きれい ● 景色がいい…… ● きちんと舗装されているのでターレを走らせやすい&スピードが出やすい ● お客さんに「きれいになったね」と言ってもらえる ▼悪いところ ● 排水溝に水がたまりやすい ● 予想以上に暑い&湿気が高い ● 駐車場が足りない ● 市場周辺の道路が渋滞する ● 水産仲卸売場棟4階の渋滞がヒドイ ● 渋滞するので売り場にモノが時間どおりに届かない ● ブースが狭くて作業が困難 ● すでにひび割れが生じているところも ● 閉鎖空間のため魚臭い ● 築地に比べて駅から遠い ● スロープが急なため大量の荷物を運べない(崩れる) 撮影/池垣 完(本誌) 写真/産経新聞社
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