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「ブランド人になるな!」田端信太郎氏のパロディ本にサラリーマンから称賛の声

 11月21日にKindleでリリースされた『ブランド人になるな!SNSの奴隷解放宣言』(源闘舎)という電子書籍がSNSで密かに話題となっている。著者は“ロータシン・タバタ”なる人物だ。
ブランド人になるな!

画像は、ロータシン・タバタ氏の『ブランド人になるな!SNSの奴隷解放宣言』(源闘舎)の表紙

 どこかで見たようなタイトルと著者……どうやら株式会社ZOZOのコミュニケーションデザイン室長、田端信太郎氏の著書『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』(幻冬舎)をパロディした模様。表紙とタイトルから真逆の意見を主張していることは明白だ。
田端信太郎

画像は、田端信太郎氏の『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』(幻冬舎)の表紙

 これに田端氏がTwitterで反応。「なんだこれwww 表紙の人物がイマイチやな」とコメントしたことにより、ネット上がザワついた。  Kindle内の各カテゴリーにおける売れ筋ランキングでは、「無料タイトル」で2位、「個人の成功論」で1位、「社会学」で1位(※11月27日確認時点)と好調。ますます気になってくる。

謎のパロディ本が登場、おふざけと思いきや…

 出版社名は幻冬舎(げんとうしゃ)の漢字を変え、源闘舎とされている。だが、恐らく個人出版だろう。また、NewsPicks Bookならぬ、NewsFucks Bookと記されている。ロータシン・タバタ氏の正体は何者なのか。たんなるおふざけで作られたものかと思いきや……意外にも共感の声が多数あがっている。同書は無料でダウンロードできるので、試しに読んでみた。  まず最初の第1章「きみはSNSで笑顔になったか?」をチェックしてみると、妄想コラムとも言い切れないことがわかる。“SNSが人間の幸福度を下げている”ことを論じているのだが、大学や専門機関などの調査結果やデータなどで裏付けされている。意識高い系が好きそうな、いわゆる“エビデンス”というやつだ。オモシロ半分で読み始めた人たちは、すぐに面食らうことだろう。

「SNSの奴隷になるな!」と主張

 現在は、SNSの時代とも呼ばれている。公私を問わず、個人から企業まで、ネットを駆使できなければ、“ダメな奴”というレッテルを貼られかねない。そんな中で、フォロワーが多く、発信力のある“SNS著名人”は憧れの対象にもなっている。だが実際、30代以上のビジネスマンの大半がTwitterなどのSNSには疎いことだろう。時代の流れと共に会社から“業務”として命じられ、渋々とアカウントを開設し、若手社員に教えを請いながら……。ファボるって何? リツイートって何? ツイートデックって何? 若手社員からはこんな声が聞こえてくる。 「先輩、そんなことも知らないんですか?(ったく、使えねーなぁ)」  ネット上で影響力を持つインフルエンサーのひとりである田端信太郎氏は、これからの時代において、SNSを使って「ブランド人になれ!」と言う。
「年功序列、終身雇用の崩壊。そして副業解禁。会社にぶら下がるクソサラリーマンはいよいよ終わる。会社の看板より個人の名前で活躍するブランド人の時代が到来だ」
(『ブランド人になれ! 会社の奴隷解放宣言』幻冬舎より)  こうした流れに危機感を覚え、SNS上でインフルエンサーと呼ばれる人たちの発言をチェックしてみたものの……何がいいのかサッパリわからない、なんて人も少なくないはずだ。次第に、これまで培ってきた社会人としての経験がすべて否定されたような気になり、すっかり自信がなくなってくる。
SNS

SNSが評価につながる時代。頭の中はSNSでいっぱいだ

 しかし、ロータシン・タバタ氏は、世の中に蔓延しつつあるSNS至上主義や、社畜のような日本のザ・サラリーマン的な状況をディスるような風潮に対し、NOを突きつける。
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「SNSはビジネスの逆鉄則に陥っている」
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ブランド人になるな!SNSの奴隷解放宣言

ブランド人になることなく、きみを人生のさらなる成功へ導く。普遍的なサラリーマンにこそ、勝ち目がある。非ブランド人としての生き方を味わって欲しい。

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