恋愛・結婚

「略奪婚を選択した人」のその後を追う 不倫時代のラブラブは続くのか?

「シングルマザーと結婚」と偽装

 壁を乗り越えた2人でも生活の壁は越えられなかったということだろうか。一方で、現在も良好な関係を続けている夫婦もいる。食品メーカーで働くMさん(39歳・男性)は約7年前に、当時結婚相手の子供がお腹の中にいる状態の1歳下の女性と恋愛関係に発展し、子供が生まれる前に離婚に導いた。その1年後に入籍し、現在はもう1人の子供にも恵まれて幸せに暮らしていると言う。 「彼女は僕の行っているジムの受付の女の子でした。最初からかわいいなって思っていて、出会った頃は独身だったんです。でも、ご飯に誘って食事をする関係になった頃ぐらいに彼女が彼氏の子供を身籠って、デキ婚したんですよ。もうショックでしたね。なぜもっと早めにアプローチしなかったのか後悔しまくりました。  最初は諦めようとしていました。でも、結婚してからも彼女とはメールを続けていくうちに諦めきれなくなってしまって、半年間ぐらいの期間は不倫と言ってもプラトニックな関係でした。妊娠中だったし。そして彼女は離婚したんです。元々責任を取ろうとしただけの相手だったので、別れたいと言ったらすんなりだったみたいです」  1年ほどで入籍したとのことだが、お互いの両親や周りにはどのように伝えていたのか聞いてみた。 「仲が良い人にだけ真実を言って、その他の人にはシングルマザーと結婚したことになっていますね。肉親では、嫁のほうの母親にだけ真実を伝えています。嫁は片親で身籠っていた時から様子を逐一見に来ていたので嘘を付けなくて。でも、義母からは『もらってくれてありがとう』とお礼を言われましたね。  今では関係は普通の夫婦と一緒です。生まれた時から知っているので、子供は自分の子だと思っています。もう1人生まれてからも愛情は変わることはありません」  略奪婚は表向きには隠している人がほとんど。どこか後ろめたい気持ちがずっと残っているのかもしれない。その後幸せになったとしても、その部分だけは共通していた。不倫、略奪は第三者にはまったく関係のないこと。しかしその第三者の目がいつまでもつきまとうのは、果たして本当の幸せなのだろうか。これも当人にしかわからないことだろう。〈取材・文/藤 文子〉
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