雑学

お弁当「玉子屋」の経営術がスタンフォード大学MBAの教材になっていた

 玉子とヒヨコのマークがついた白いワンボックス。

 都心につとめるビジネスマンなら一度は目にしたことがあるだろう、お弁当の「玉子屋」の配達車だ。

玉子屋「玉子屋」は、東京の15区と神奈川県の一部にお昼の日替わり弁当を配達している。その数、一日なんと6万食以上。6万といえば、満員の東京ドームよりも多く、ちょっとした地方の小都市の人口だ。しかも、450円のお昼の日替わり弁当のみで、年商は70億円

「玉子屋」の経営術がスタンフォード大学MBAの教材に


 そんな「玉子屋」の、中小企業ならではのフレキシブルな経営は、アメリカの名門大学スタンフォード大学で10年も前から注目され、MBA(経営学大学院)の教材になっているのだという。

 玉子屋の経営が、どうしてスタンフォード大学の目にとまったのだろうか。

 玉子屋の社長で、このほど『日替わり弁当のみで年商70億円 スタンフォード大学MBAの教材に/東京大田区・弁当屋のすごい経営』を上梓した菅原勇一郎氏に聞いた。

「2007年の春、アメリカから1本の国際電話がかかってきました。相手はスタンフォード大学経営大学院に留学している三菱電機の伏見信也さんという研究者で、私とは面識のない方でした。

 伏見さんは、東京で勤務していたとき玉子屋の弁当を召し上がってくださっており、スタンフォード大学経営大学院の授業でレポートの課題が出たときに、玉子屋について書いたのだそうです」

 当時、東京都心で1日5万食を、朝9時から10時半までに注文をうけて、その日の昼12時までに配達すること。原価率が高く味もいいうえに、廃棄率が0.1%であること――。伏見さんが、自分の知っていた限りの情報で書いた分析レポートを提出すると、サプライチェーンマネジメントを専門とする教授から、「このレポートを授業のケーススタディにしたい」と連絡があったのだとか。

「その教授、ファング教授というのですが、“一度その会社に行きたいからアポを取ってくれないか”と伏見さんに頼んだそうです。そして、伏見さんから“そういうわけで大変恐縮ですが、訪問をご検討いただけませんか”という電話がかかってきたのです。驚きましたが、もちろん大変光栄なことですから、喜んでお受けしました。早速その夏に二人がいらしたんです」

玉子屋

機械化されてるとはいえ、手作業の負う部分も多い

 そこで、12時に届けるために時間差で出発する配達方法、どのように仕入れをしているか、廃棄率を減らすための工夫、従業員はフレキシブル採用で「悪ガキ」を率先して採用すること、社是は「事業に失敗するコツ12箇条」であることなど、玉子屋について丁寧に説明したところ、ファング教授がたいそう感心し、ケーススタディとして取り上げることになったのだという。

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受講生が関心を寄せた2つのポイント

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日替わり弁当のみで年商70億円スタンフォード大学MBAの教材に 東京大田区・弁当屋のすごい経営

なぜお弁当の「玉子屋」には「元気のいい、生き生きと働くスタッフ」が集まるのか―。中小企業だからできる「面白経営」の神髄。





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