ビジネスマンの「予測」を狂わせる6つの重大要因とは? 実証実験で明らかに
ビジネスパーソンは業務を進めるにあたり、日々さまざまなことを予測しなければならない。もちろん予測が当たることもあるし、外すこともあるだろう。
その道の専門家と呼ばれる人々であっても予測を外すことは多々ある。昨年、世界中を驚かせたイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果や、アメリカ大統領選の結果などはその典型だ。ブレグジット(イギリスのEU離脱)に関する専門家の予想は、ほぼすべて「EU残留派勝利」だった。また、アメリカ大統領選では、開票直後でも全米メディアでは、まだヒラリー・クリントン勝利の予想で、ドナルド・トランプ氏の勝利を予想した人はほとんどいなかった。
なぜ人間の予測はかくも外れるのだろうか? 実は、人間は変化に直面した時に無意識に「ヒューマンエラー」を犯しているからだという。
そこでこの度、AIを活用した企業の販売・在庫管理の予測システムの実用開発・普及に取り組んでいるNPO法人ビュー・コミュニケーションズ副理事長の小松秀樹氏に話を聞いた。
――人間が予測をする際に犯してしまう「ヒューマンエラー」とはどういうことでしょうか?
小松:ヒューマンエラーという言葉は、一般的にはうっかりミス、不注意、失念、誤認などの事故や品質不良の要因となる人の行動や決定を指しているケースが多いようです。
一方、流通分野での販売や在庫予測におけるヒューマンエラーとは、以下に6点示しましたが、「市場環境の変化が激しい局面での人間による無意識のエラー」として捉えている点にあります。
①常識を疑うことなく、それを前提にしてしまう。
②「動き」を知りたいのに「静止画的発想」をしてしまう。
③因果があっても相関があるとは限らないのに、理由を「後付け」してしまう。
④ショックに対して、どうしても過剰反応してしまいがちになる。
⑤「異常」の状態を「正常」と捉えてしまう。
⑥間違った観察・評価・判断をしてしまっていることに、そもそも気付かない。
私たちはこれらのエラーを「無意識」に犯してしまいます。そのため、結果に対する原因がヒューマンエラーにあるということになかなか気付きません。
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