食中毒にならない弁当の作り方――鶏のもも肉と胸肉、弁当向きなのはどっち?
湿度と気温が上がってくるこれからの季節、気になってくるのが食中毒など食品の衛生問題だ。食中毒全体の発生件数は平成26~28年で見ると増加傾向。中には職場や学校に持っていく一般家庭のお弁当を食べたことが原因となったケースもある。
そこで本記事では傷みにくいメニューや調理方法など、一般家庭でお弁当を作る際に食中毒を防ぐためのノウハウを紹介していこう。
調理して時間が経ってから食べるのがお弁当。安全な消費期限の目安はあるのだろうか?
「もちろん条件によって大きく変わってきますが、家庭で作られる弁当は“長くて7時間”をひとつの参考にするといいでしょう」。
こう語るのは、保健師や食品衛生責任者などの資格を持ち、お弁当宅配&ケータリングサービス『ごちクル』で品質管理を担当する笹川絵美氏。
「食中毒予防では、細菌の場合は中心温度75度で60秒。ノロウイルスも85度90秒で死滅すると言われています。調理後に菌が増殖することを考えると、しっかり加熱し殺菌するのが大切です」(同氏)。
例えば炒め物。
加熱ムラを防ぐため、食材別にボイルしてから合わせたり、ソテーの場合も表面を焼いたあとスチームコンベクションで20~30分ほど蒸し焼きにし完全加熱するといった工夫は有効だ。ほかにも、蓋をして蒸し焼きにしたり、電子レンジを下ごしらえに上手に使うことで食中毒は防げる。
そのため、長時間しっかり加熱するのをためらう食材の使用は夏場は避けたほうがよい。
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1357940
「もやしは注意が必要です。水分や菌数の多い野菜というのもさることながら、食感を残すためしっかり加熱されずに菌が残ってしまうことがあります。そういう意味で、同じ鶏肉でも胸肉はしっかり加熱すると硬くなってしまうため手加減しがち。もも肉なら煮込み料理など確実に完全加熱できるメニューが作れるため、お弁当に向いていると言えます」(同氏)
また、魚介ウインナーやかまぼこなど、一般的に加熱行程を必要としない食材も、お弁当では一回加熱したほうがベター。加えて、「お米やパスタなど穀物類には土壌などを中心に自然環境に広く分布するセレウス菌が多く、加熱調理後、時間が経ったものをなるべく使わないよう気をつけたほうがよい」とのことだ。
またお弁当でしばしば出されるチャーハンにも意外な落とし穴が。
「チャーハンは再加熱するからと古いご飯を使いがちですが、チャーハン程度の再加熱だと不十分。再加熱で爆発的に増殖することさえあります」(同氏)。
安全と思い込むメニューほど注意が必要だ。
鮮度だけ見るな!食材の加熱がいかに重要か
鶏肉は胸肉よりもも肉を選べ

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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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