更新日:2022年08月21日 12:50
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インストラクターのお世辞が上手なフィットネスクラブほど退会者が多い

フィットネスクラブ

無意識のうちに自動反応してしまう対人関係心理

 世界的にサービス産業のウェイトが高まる中で、「日本のサービス生産性が低い」と言われています。生産性向上には、単に量的側面だけではなく質的側面も伴うことが必要です。  そのための条件は何か、という視点でサービス生産性向上の事例研究として、フィットネスクラブチェーンでの会員満足度と「無意識のうちに自動反応してしまう対人関係心理」の作用を調べたことがあります。  「無意識のうちに自動反応してしまう対人関係心理」とは、社会心理学の研究により抽出された10の原則のことで、我々はこれを「心理ボタン」と名付けています。  例えば、私たちは、ウソと知りつつも、お世辞を言う人を好む傾向があります(「お世辞」の心理ボタン)。また、経歴や出身地、趣味などが自分と似ている人を好む傾向もあります(「類似性」の心理ボタン)。  他にも、「最後の一つです」と言われつい買ってしまう(希少性)、母校が負けたときは黙っているが、勝つと「私の母校が勝った」とあたかも自分のことのように自慢してしまう(連合性)など、心理ボタンが押されて自動的に反応してしまう例は日常でも数多くあります。 <無意識のうちに自動反応してしまう対人関係心理(心理ボタン)> 1.返報性:「受けた恩義に対して将来必ず報いなければならない」 2.コミットメント性(一貫性):「一貫していることは望ましく適応的である」(心変わりしない、裏表がない等) 3.容姿・身だしなみ:「外見の良い人は、才能、親切心、誠実さ、知性といった望ましい特徴を持っていると自動的に考える」 4.類似性:「自分に似ている人を好む」(経歴、趣味、ファッションスタイル、意見等) 5.協同性:「自分の味方になってくれる、自分のために一緒に努力してくれる」 6.お世辞:「他者からの称賛を信じ、それを与えてくれた人を好む傾向がある。たとえその称賛が真実でないときでさえも」 7.連合性:「悪いニュースの内容は、その話し手にも伝染する」「成功した他者との結びつきを人々に吹聴する」など、望ましいこと、望ましくないことと相手とを結びつけて捉える 8.多数性:「他者がどうしているかによって自分の行動が適切なものかどうかを判断する」 9.権威性:権威への服従は、「権威者が自分よりも多くの知識を持ち、自分に対する賞罰をコントロールしており」、自分のためになると考える。 10.希少性:希少性の原理「機会を失いかけると、その機会をより価値あるものと見なす」 ①入手が難しいもの ②自由の喪失に対する反応
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