新10番・中島翔哉がサッカー日本代表の運命を決める
’18年9月に発足したサッカー日本代表“森保ジャパン”の試金石となるアジアカップ2019(1月5日~2月1日・UAE)の開幕が1月初めに迫っている。4年に一度のアジア王者を決める同大会。前回、ベスト8に終わった日本代表は2大会ぶり5度目の頂点を目指すが、そのキーマンとなるのが新10番・中島翔哉(24歳・ポルティモネンセ)だろう。
昨夏のロシアW杯のあと、長く10番をつけていた香川真司(29歳・ドルトムント)から、エースナンバー10を引き継いだ中島。森保ジャパンでは4-2-3-1の「3」の左に位置し、同じく攻撃的MFの南野拓実(23歳・ザルツブルク)、堂安律(20歳・フローニンゲン)とともに「新・ビッグ3」などとメディアを賑わせているが、その“長男”こそが中島である。
動きのキレと決定力で勝負する南野、力強さと安定感を武器にする堂安に対し、中島の売りはサッカー小僧さながらの細かなドリブルと、パンチ力のあるミドルシュート。かつて“一発”はあるが、ドリブルでのボールロストも目立つなどムラっ気を指摘されることもあったが、’17年夏にポルトガル1部のポルティモネンセに移籍したことで、相手との駆け引きや戦術面での成長をうかがわせ、昨季は欧州移籍1年目で10ゴール12アシストとブレイク。その勢いのままロシアW杯でのメンバー入りを望む声も聞かれ、最終選考で外れた際には驚きの声を上げる関係者もいたほどだ。
中島は’16年夏のリオ五輪にもU-23日本代表の「10」を背負って出場しているだけに、プレーする姿が印象に残っている人は多いかもしれない。だが、本人は決して口数が多いタイプではないだけに、そのキャラクターについては、あまり知られていない。さらに、ウインターブレイクが近づくにつれ、中島には英プレミアリーグをはじめ、移籍の話も絶えないが、いったい現地ポルトガルでは、どう評価されているのか。
そこで’18年12月某日、ポルトガル南部のアルガルベ地方の港町ポルティマンにて、本人を直撃した。
「アルガルベ」といえば、なでしこジャパンもよく参加する女子のサッカー大会が開かれる場所として知られるが、海岸やゴルフ場が近くに広がるリゾートである。ゆえに、そのノンビリとした街全体の雰囲気は中島にぴったりだったのかもしれない。
ちょうど最初に取材した11節のCDトンデラ戦。試合は中島の今季5ゴール目などでポルティモネンセが3-2と勝利したが、その直後の取材エリアで中島自身、ポルティモネンセの環境がいかに自分に合っていたかを話してくれた。
「ここのサッカーが僕自身のやりたいサッカーに近かったのもあったし、(ポルティモネンセの本拠)ポルティマンは海がきれいで、人も優しい街ですから。イワシのグリル(バカリャウ)とか、味つけは日本と少し違いますが、魚をよく食べたりするのも似ていて、食事に困ることがないのも救われました」
また、語学が堪能でない中島にとっては、チームでのコミュニケーションがひとつの壁になるかに思われたが、チームには通訳のほか、ヴェルディユース時代の1年後輩でブラジル国籍を持つ亀倉龍希らがいることに救われたと言う。そして、ポルティモネンセにフィットし大きな要因の一つに、入籍直後の移籍だったものの、妻が最初からついてきてくれたことを挙げている。
「奥さんは、よくアドバイスをくれますし、何より精神的な支えになってくれています。彼女がいなければ、今の自分は絶対にない。代表のチームメートには、海外で単身やっている選手もいますけど、ホントにすごいなと思います。僕だったら絶対無理ですね(笑)」
ちなみに、現地に来ていちばん大変だったことを聞けば、こんな答えが返ってきた。
「ディーゼル車だったのに、GSで間違ってガソリンを入れてしまったら車が止まってしまい……。すぐに龍希に電話して処理してもらいましたが、レッカーでしたね(笑)」
ポルトガルでプレーする本人を直撃!
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