ニュース

日本は韓国に“経済制裁”で対抗すべき!?

韓国

レーダー照射問題は次なるクレーム……

 韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題を巡っては、日本側が探知したレーダーの電波を音に変換した記録を公開するなどして再発防止を迫っていたが、韓国側はレーダー照射そのものがなかったと頑なに否定。当初から客観的事実を示さず、主張も二転三転させるなどお粗末な対応に終始していた。  その後、日韓間で行った協議も決裂したが、23日になって韓国側は、新たに別の海自哨戒機が脅威を与える低空飛行をしたと主張し始める始末……。互いに対北朝鮮包囲網を築かなければならない「友好国」であるにもかかわらず、関係修復の目途はまったく立っていない状況だ。作家で経済評論家の渡邉哲也氏が話す。 「文大統領は米国に対しても朝鮮半島の戦時統制権の返還を要求したり、THAAD(終末高高度防衛ミサイル)の追加配備はしないと中国に接近したりと、反米の姿勢を露わにしている。当然、米国は文政権に嫌気がさしており、トランプ大統領は在韓米軍基地の撤退も真剣に検討しているほどです。米国は昨年、ソウルのアメリカンスクールの廃校を発表したが、ここに通うのは在韓米軍関係者の子供たちで、撤退への序章とも映る……。  親北に前のめりになる韓国に対して、米財務省は韓国の国策銀行に制裁の遵守を求め、制裁破りが発覚した場合、金融制裁を科すと警告も出した。これを受け、米国の外為銀行は韓国の銀行との直接取引を停止するに至っており、韓国の銀行は、現在、第三国の金融機関の仲介なしに米国の銀行と取引できなくなっているのです」  日本も直接韓国に対して、経済的な対抗措置を講じることは十分可能だという。渡邉氏が続ける。 「現在、日本が韓国に輸出しているのは基礎的なパーツ・素材や高度技術を利用した生産機械が主流で、日本以外にはつくれないオンリーワンのものが多い。つまり、サムスンがいかに半導体生産で世界一でも、これを担う一端は日本企業であり、時間をかければ現在の国際サプライチェーンを変更することも可能なわけです。半導体の洗浄にはフッ化水素が不可欠だが、日本は高純度のフッ化水素を独占的に生産しており、輸出を止めれば韓国の半導体産業はやっていけなくなる。  また、金融庁が韓国向け融資や保証のリスク区分を引き上げる金融制裁も考えるべき。韓国では、貿易決済を担う国策銀行が信用状を発行しているが、大型融資先の造船会社の業績が悪化したことで不良債権を抱え国策銀行が赤字に陥っています。その結果、国策銀行の信用だけでは信用状を受け取ってもらえなくなっており、日本のメガバンクが保証を与えている状態。これらのカードを効果的に切ることも視野に入れて交渉に臨むべきです」  2月22日には竹島の日が控え、3月1日は日本統治下に起きた「三・一独立運動」から100周年に当たる。しかもこの日は韓国が差し押さえに着手した新日鉄住金の資産を売却する期限になっている。果たして、日本は早期に対抗措置を取れるのか? 強い姿勢で臨んでほしい。 <日韓それぞれの主張> ●「元徴用工」訴訟 ~日本~ ・’65年の日韓請求権協定で解決済み ・政府間協議を要請 ・韓国が責任ある対応を ~韓国~ ・裁判所の判決は尊重 ・政治的な争点にすべきではない ・日韓で知恵を合わせて解決 ●レーダー照射 ~日本~ ・火器管制レーダーを照射された ・適切な経路と高度で飛行 ・異なる周波数での呼びかけに応答なし ~韓国~ ・レーダー照射の事実はない ・日本の低空威嚇飛行は遺憾 ・雑音で呼びかけ聞こえず ▼日本企業が2兆円超を請求される可能性も……「元徴用工」問題を巡っては、日韓請求権協定の交渉過程で日本側は韓国の国民一人一人に個別賠償したいと申し出たが、韓国側が個別賠償には韓国政府が対応するから一括賠償してくれと要求した経緯がある。韓国側の出している強制徴用被害者が21万人以上に上ることから、今後、日本企業が2兆円を超える賠償を求められる可能性も 取材・文/週刊SPA!編集部 写真/EPA=時事 YONHAP NEWS/アフロ ※1/29発売の週刊SPA!「今週の顔」より
1
2
週刊SPA!2/5号(1/29発売)

表紙の人/ トリンドル玲奈

電子雑誌版も発売中!
詳細・購入はこちらから
※バックナンバーもいつでも買って、すぐ読める!
おすすめ記事