DeNA・筒香嘉智「日本球界は時代の変化に取り残されている」
DeNAの筒香嘉智選手が、25日、都内の日本外国特派員協会で記者会見を行った。議題は「日本の野球界は変わらなければならない」。現役選手で侍ジャパンの4番打者という、影響力の大きい立場での「提言」が国内外100名を超える記者が集まるなかで行われた。
「本日は、僕自身が感じている(日本の)スポーツ界、野球界の現状について『もっと良くなるにはどうしたらいいか』考えてることを話したいと思います」。まっすぐ前を見据え、語り始めた筒香。まず野球人口が少子化のスピードより6~10倍のスピードで減っているという調査結果を示し、子供たちが野球をするにも無理を強いられ、果ては、手術を受け野球を断念する例もあるということに憂慮を示した。
さらに筒香は、専門家や医師と協力して調査したデータを記者に配布。そこにはU-12日本代表の小中学生と、筒香が、’14年、’15年と2度訪れているドミニカ共和国の子供たちの肘の内側の故障頻度が示されていた。日本の子供たちの67%が故障歴があるのに比べて、ドミニカは18%という数字を示していた。
筒香はこのデータを「勝利至上主義が原因だ」と言い切った。「どの年代も、選手の将来的な活躍よりも、今の勝利を重視した『勝利至上主義』に問題があるのではないかと思っています。プロ野球はリーグ戦で行われていますが、骨格のできあがっていない子供たちの大会はほとんどがトーナメントで行われています。このため、どうしても選手の成長より今の試合に勝つことが優先されています」
ドミニカには甲子園に値するような大きな大会はなく、トーナメントでの試合もない。子供たちは指導者から野球を楽しむことを優先した指導を受け、ひいてはMLB球団が主催するアカデミーに入り、メジャーリーガーへの夢を紡いでゆく。そこには「美談」にすり替えられる「酷使」はない。昨夏の夏の甲子園で金足農業の吉田投手が決勝戦まで一人で投げぬき、それが「高校野球の姿」などと語られたこととも記憶に新しい。
それゆえ、筒香は自身も名門・横浜高校で経験した「高校野球」についてとりわけ強く言及した。
「高校野球は教育の場といわれていますが、高校生が甲子園でやっているのは部活動です。昨年も球数の問題が出ましたが、本当に子供たちのためになっているのかという疑問があります」
さらに「高校野球では部活で大きなお金が動いたり、教育の場といいながら、ドラマのようなものを作ることもある。新聞社が高校野球を主催しているので、(メディアにも)子供たちに良くないと思っている方はいても、高校野球の悪というか、子供たちのためになっていないという思いを(メディアが)なかなか伝え切れていないのが現状だと思います」と高校野球界の矛盾を突いた。
日本の新聞社の記者が大勢詰めかけるなかでの発言。ややもすれば、今季は横浜でプレーする自身の首をしめかねない発言に記者会見場は静まり返った。(事実、翌日の朝刊で記者会見自体を報じたにせよ、この部分を報じた新聞社はほんの一部で、高校野球を主催する2紙は同日に行われたセンバツ高校野球の組み合わせ抽選の結果に多く紙面を割き、これには言及しなかった)
甲子園は子供たちのための大会なのか?
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