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香川、長友、本田…輝きを取り戻したサッカー日本代表「ビッグ3」の挑戦

 サッカー日本代表の世代交代が大きな盛り上がりを見せる昨今、「新ビッグ3」として世間を賑わせているのが中島翔哉、南野拓実、堂安律の3人だ。1月のアジアカップでは「新ビッグ3」を中心に据えた戦術(中島は怪我のため欠場)で準優勝を飾ったが、期待値が高かった分、落胆の声が大きい印象である。  そんななか、長く在籍したドイツのドルトムントを離れ、新天地でいきなりの大活躍を見せたのが、世代交代の波に追われ、現在は代表から招集されていない香川真司。2008年から約10年間も日本代表としてピッチに立ち続け、そのほとんどの時間をエース番号である“10”を背負ってきた男の再起に、日本のみならず世界中から称賛の声が挙がっている。  そこで今回は、香川とともに、日本代表を長く牽引してきた長友佑都、本田圭佑の新天地での活躍を見ていこう。

香川真司:苦しんだシーズンから衝撃のトルコデビュー

 日本代表の10番で、ドルトムントの中心メンバー。  若手の頃からこの看板を背負ってきた香川にとって、今シーズンは不遇と呼ぶに相応しいものだった。
 今シーズンから新監督を据えたドルトムント。出だしこそつまずいたものの、蓋を開けてみればリーグトップの得点力を誇り、現在ドイツ1強とも謳われたあのバイエルン・ミュンヘンを抑え、首位を独走している。…しかし、肝心の香川には出番はほとんど回ってこなかった。  そこで、香川は合わせて6年在籍したチームを離れ、新たなステージで戦うことに。トルコのベシクタシュへの半年間のレンタル移籍を決断するのだった。  移籍が発表されたのは、海外の移籍マーケットの締まる1月31日当日。次の日にチームに合流するとわずかその2日後、2月3日(日本時間4日)に誰も予想しなかった驚きのトルコデビューを飾る…!  3日、アンタルヤスポルとのアウェイ戦にベンチ入りした香川は、後半35分にトルコデビュー。ピッチに立った最初のプレーで、味方からパスを受けた香川は美しいフェイントから右足を一閃。ボールはゴールに吸い込まれた。この間わずか16秒!  さらにその3分後、ゴール前で得たフリーキックを見事に沈め追加点。たった3分で2ゴールという結果を残した彼に、サポーターは大声援を送り、この試合の解説を務めた元トルコ代表のリドバン・ディルメン氏は思わず、「私は香川に嫉妬している」と声を挙げたほど。  さらに、2月10日に行われた試合にも途中出場を果たすと、会場からは強烈な香川コールが巻き起こった。熱狂的なファンに早くも受け入れられた香川から目が離せない。
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長友佑都:日本の「縁の下の力持ち」、トルコでの挑戦
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