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元妻ら7人からセクハラ・パワハラ告発された大物ミュージシャン。#MeToo旋風が音楽界にも



 ジェニーの話を受けて、アダムスもこう語っている。

「ただレコードを作りゃいいってもんじゃない。俺の仕事は、人を興奮させることなんだ。(中略)障害を取っ払って、暴れ馬となった楽曲が水平線の向こうまで駆け抜けていくのを見届ける、ってところかな」

 直接的に関連付ける気はさらさらないが、旺盛な性欲と、独断的な突破力は、どこか相通ずるところがあるのではないかと思ってしまうエピソードでもある。

クレジットから名前を削除


 そのジェニー・ルイスが、15日に更新したツイッターで、アダムスの一連の疑惑についての声明を発表。ミュージシャン同士、プロフェッショナルな関係を築いてきたことを認めつつ、告発に踏み切った女性たちを支持するという内容だった。
 事実、先日発表された新曲「Heads Gonna Roll」からは、プロデュースとギターで参加したはずのライアンの名前がなくなっていたのだ。ガガ同様、炎上を未然に防ぐ必要に迫られたのだろう。



 繰り返しになるが、確かにライアン・アダムスの行為はクズであり、ゲスである。しかし、事あるごとに踏み絵を踏ませるような正義が跋扈する現状にも、少なからず恐れを感じざるを得ない。

 賛否両論を呼んだ「ジレット」のCMをはじめ、男性の振る舞いに厳しい目が注がれる昨今。コンプライアンスが優先される事情は理解しつつも、果たして現実はそのように白黒ハッキリつけられる物事ばかりなのだろうか?

 時代とともに、よい着地点が見つかればよいのだが。

<文/音楽批評・石黒隆之>

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