仕事

女性客をめぐるホスト同士のトラブル 「新入りをボコボコに」して人生棒にふった男

刑期は終えたが、歌舞伎町には戻れない

 学生時代は地元でヤンチャしていたという辻原さん、かなり派手にやってしまったという。 「思いっきり顔を殴ってしまったため、ヒカルは店を1カ月休んだそうです。そして後日ヒカルに、訴えると言われました。僕は示談にして店をクビにしてくれて構わないと言ったのですが、ヒカルは気が済まなかったそうです。ここで僕をクビにしても他のホストクラブに行くだけなので、どうしても歌舞伎町から消えて欲しかったんだと思います。  確かに示談にしても数十万程度で、ヒカルが1カ月稼ぐ給料のほうが遥かに高い。結局、被害届を出されてしまいました。起訴された僕は、1年の懲役を科されることになったんです」
逮捕

写真はイメージです(以下同じ)

 ホスト同士のトラブルで懲役にまで発展してしまった辻原さん。しかし、刑期を終えてからが地獄だった。 「歌舞伎町って横の繋がりが濃いんで、一度トラブルを起こしてしまうと他店で働けなくなってしまうんです。しかも、僕が出所した頃には浄化作戦の後ということもあり、ホストもだいぶクリーンになっていました。前科がある奴は雇わないなんて店も増えて、東京で就職できる当てもなく泣く泣く地元に帰ったんです。  とはいえ地元で働き口があるわけでもなく、結局知り合いに紹介してもらった地方のボーイズバーでこの年になるまで働いています……」  最近は年のせいか酒も飲めなくなってきているという辻原さん。しかも、客層はかなり悪いようで……。 疲労困憊「地方ということもあり、キャストも客もヤンキー上がりみたいなのばかりでかなりキツイ。毎日ゲーム、一気は当たり前。特に僕なんか年上だからかよく飲まされていますね。あの時の自分の行動を、後悔するばかりです」  ひと昔前に比べるとクリーンになったといわれる昨今のホスト業界。だが、男女の欲望うずまく世界であることは変わりない。一歩踏み込めば、トラブルに巻き込まれてしまう可能性も少なくないのだろう。〈取材・文/カワノアユミ〉
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
1
2
おすすめ記事