平成4年(1992年)
平成4年は、バルセロナ五輪の年。14歳の岩崎恭子さんが金メダルを獲得し、「今まで生きてきた中で、一番幸せです」とコメントして流行語となりました。また、ソニーが「MD(ミニディスク)」プレイヤー1号機を発売。メディア革命が起こると思われたのですが……。
平成4年は、『マリオカート』シリーズの第1作『スーパーマリオカート』が登場。ロングセラーとなり、スーファミ人気を支えました。9月には『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』、12月には『ファイナルファンタジーV』がリリース。まだこの頃は、エニックスとスクウェアは別々の会社でした。「サウンドノベル」というジャンルが誕生したのもこの年。『弟切草』は「とにかく怖い」と評判を呼びました。
スクウェアとエニックスは平成15年に合併するまで別々の会社でした
そのほかの注目のヒットゲーム
・ロマンシング サ・ガ(スーパーファミコン)
・シャイニング・フォース 神々の遺産(メガドライブ)
・天外魔境II 卍MARU(PCエンジン)
平成5年は、5月にJリーグが開幕し、10月には「ドーハの悲劇」が起こるなど、サッカーに日本全国が熱狂した年。サッカー発でミサンガも流行しました。テレビドラマは『ひとつ屋根の下』がヒット。
ゲーム界は、翌年の次世代機戦争勃発を控え、嵐の前の静けさ。主な大作ソフトとしては、前作で打ち出したフリーシナリオシステムをさらに高めた意欲作『ロマンシング サ・ガ2』が発売。また、チュンソフトから1000回遊べるRPG『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』がリリースされ、日本でローグライクというジャンルを広めました。
そのほかの注目のヒットゲーム
・ロックマンX(スーパーファミコン)
・ゼルダの伝説 夢をみる島(ゲームボーイ)
平成6年(1994年)
平成6年は、オリックス・イチロー選手が彗星の如く現れ、巨人と中日が10.8の最終決戦を行うなど野球が盛り上がった年。ビートたけしさんのバイク事故もこの年です。次第に不況の影が濃くなり、「就職氷河期」が叫ばれました。ヒット曲はMr.Childrenの「innocent world」。
ゲーム史的には、1994年(平成6年)は重要な年。セガの「セガサターン」、ソニーの「プレイステーション」、NECの「PC-FX」、松下電器の「3DO」と、CD-ROMをメディアにした32ビット機が続々と発売されました。11月に発売されたセガサターンはゲームセンターで人気だった『バーチャファイター』をローンチに投入し、頭ひとつ抜け出したかのように思われましたが……。ちなみに、『ときめきメモリアル』がPCエンジンで発売されたのも平成6年。恋愛シミュレーションゲームに火を点けました。
セガサターン
そのほかの注目のヒットゲーム
・スーパードンキーコング(スーパーファミコン)
・かまいたちの夜(スーパーファミコン)
・リッジレーサー(プレイステーション)
平成7年(1995年)
平成7年は、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件と日本を揺るがす天災・事件が相次いだ年。Windows95に行列ができ、IT革命の足音はすぐそこに迫りつつありました。10月にはTV東京系列でアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』が放映開始されています。
ゲームでは、32ビットの次世代機が激しいシェア争いを繰り広げるなか、任天堂は衛星データ放送を活用する「サテラビュー」や、「バーチャルボーイ」を発売。今となってはどちらも早すぎた印象ですが、画期的な試みでした。また6月にはPS1で光と音のRPG『アークザラッド』が発売。12月にはスーファミ最後の『ドラクエ』ソフト『ドラゴンクエストVI 幻の大地』。同じく12月にはスーファミで『テイルズ』第1弾『テイルズ オブ ファンタジア』も発売されています。
そのほかの注目のヒットゲーム
・ロマンシング サ・ガ3(スーパーファミコン)
・不思議のダンジョン2 風来のシレン(スーパーファミコン)
次回は、平成8年(1996年)~平成14年(2002年)まで。次世代機戦争に勝つのは果たして!?
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『
はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も