更新日:2023年03月20日 10:59
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令和で夜の世界はこう変わる――ド底辺キャバ嬢の見方

歌舞伎町の観光地化はより進む

 だが若者離れはキャストだけでない。最近では若い男性客の歌舞伎町離れが進んでいるという。
新宿・歌舞伎町

新宿・歌舞伎町

 理由の1つとしては東京五輪決定以降、急激に「ぼったくり店」が増加したこともあるだろう。筆者は昔から「客引き=ぼったくり」というイメージしかないのだが、今の若者は簡単に付いて行ってしまうので恐ろしい。1度ぼったくりにあった若者達は歌舞伎町を敬遠し、遊び方を知っている客のみが残ったのだ。結果、歌舞伎町の常連客は昔から変わらず、たまに若者を見ても新規の団体客か出張客ばかりになった。  また一時、乱立していた熟女キャバクラは以前ほど元気がない。価格設定が安く時給保証も低い。そしてノルマも厳しい。集客力のあるキャスト以外は出勤を削られるので人が集まらないのだ。また一般的なキャバクラに比べると常連客がつきやすい分、新規客は入りにくい。以前は大阪に何軒もオープンしていた熟女キャバクラは、現在は老舗店のみが生き残っている状態だ。  一方、ホストクラブは郊外の店が激減している。以前は歌舞伎町以外の街でも十数軒はあった都内のホストクラブも今では一桁ほどしかなく、10年前は「大阪のホストなら梅田」といわれていたが、今ではミナミのほうが勢いがある。今でも新店がオープンし続けているのは、歌舞伎町、ミナミ、あとは名古屋、福岡ぐらいだろう。あと、意外と流行っているのは沖縄。  数年前からメディアでも時々取り上げられる、都心からリゾート地に期間限定で働きに出る『リゾキャバ嬢』のように、本島から沖縄に出稼ぎに来るホストが増えている。元号が変わっても沖縄の夜は変わらぬ活気を見せるだろう。  色々書いたが、新元号になってより発展を見せるのは歌舞伎町と予想する。ますます観光地化されていくからだ。2018年にはホストが「バーレスク」のショーを行う「ホスレスク」というジャンルの店がオープンし、外国人観光客誘致を狙っていることからもそれが分かる。  キャバクラもホストも日本特有の文化だ。令和時代の「日本の夜遊び」は、世界でも類をみないエンターテイメントな存在になるかもしれない。 <取材・文/カワノアユミ 取材協力:歌舞伎町ホストクラブL店、歌舞伎町ラウンジバーF店、他> ― シリーズ・キャバ嬢に訊け ―
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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