なぜヤクザになったのか? 不良にすらなれない若者が組の門を叩くワケ
実際、N君も電話番程度でシノギもなく、組長から盃も貰えない存在であったようだ。
「組長はN君のことを『いつか役に立つときがくるかもしれないから』と言ってました。シノギがなければ組の役に立ちませんからね」
その後、N君は組を飛び出した揚げ句、強盗未遂で逮捕された。組からも「破門」された。
「いちばん重い絶縁ではなく、破門ですから、本人が戻りたいと言えば組は受け入れるかもしれません。もっと多様性を認める世の中であればと思いますね」
行き場のない若者にとって最後のセーフティネットがヤクザとは、なんともやり切れない社会ではなかろうか。
<取材・文・撮影/永谷正樹>
【圡方宏史(ひじかたこうじ)】
’76年生まれ。上智大学英文学科卒業、’98年、東海テレビ入社。報道部ディレクターとして働く傍ら、ドキュメンタリー映画『ホームレス理事長 退学球児再生計画』(’14年)、『ヤクザと憲法』(’16年)の監督を務めた
※週刊SPA!4月16日発売号「それでもヤクザになる若者たち」特集より
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