更新日:2023年03月20日 11:22
スポーツ

JRA現役ジョッキーがトレーナーに アメリカで最先端のトレーニング知識をYoutubeで紹介

トレーニングが合わないのは「脳のことを忘れている」から

――身体から上(アタマ、脳)のことを忘れてるといった感じですかね。 宮崎:今までだと病院でのリハビリや整体でも、一般的に教えられているトレーニングも基本的にはこっからここ(首から下)のことしか言わない。ここの筋肉が張っているからほぐしましょうとか、あとは骨盤がこう曲がってるからこうなるんですよとか。そういうのを生体力学っていうんですけど、あくまでバイオメカニカルな……でもそうじゃないでしょ? って。 ――そこからZ-HEALTHにたどり着いた 宮崎:僕は今まであらゆるトレーニングや整体を試してきました。その間にも2015年には落馬で大きな怪我もしてリハビリもたくさん試しました。でも、自分の身体には長期的に大きな変化がなかったんですね。一般的に言うと「合う、合わない」と考えるのでしょうけど……なんでだろう? って自分で勉強し始めて、最終的に脳神経学から体を考えること=Z-HEALTHにたどり着いたんです。 ――身体だけでなく脳を使ったトレーニングの方が、より効果的だということですね。 宮崎:自分の体を動かすこと、人と話すこと、究極を言えば人生のすべてに脳が関わっています。そして脳の一番大切な仕事は今この瞬間を生き延びることで、その視点で見た時に、トレーニングや身体の不調とはどういう事なのかを考えることが大事なのです。 ――Z-HEALTHを取り入れた実例にはどんなものが? 宮崎:有名な例はドイツのサッカーワールドカップ優勝チームがZ-HEALTHを取り入れてました。大谷翔平選手のピッチングコーチの人がやっていたりとかも聞きますね。あとは全米のトライアスロンのチャンピオンもやっていたようです。私がトレーナーとして関わった例ですと、他競技のプロのスポーツ選手に指導したこともありますが、多くはトレーナーさんとか、リハビリをやっている人たちが知識を深めたいという事で勉強で訪ねて来ていただけてます。あとはトレセンに行ってトレセンの厩務員さんとか調教助手さんとか、そういう方に教えたりとか。 ――騎手の仕事との両立は大変ではないですか? 今日も水曜ですが、朝は調教のため美浦に行っていたのでしょうか。 宮崎:美浦から、ちょうど今帰ってきたところですね。平日でも月曜日以外は基本忙しいです。連絡があったときに、個別に対応していくようなスタイルでやっています。来ていただければ教える感じです。自分の時間が限られているので結構断っちゃうことも多いんですけど……。 ――でも、実際に直接教える機会もあるなかで、YouTubeで動画を上げるのはどういった目的があるのでしょうか 宮崎:このような活動は、自分自身がジョッキーとしてスキルアップすることが根底にあります。机で勉強するだけでは理解しきれないことをアウトプットすることで理解が深まったり、自分自身もどうしたら更に良くなるかを考えられます。それだけでなく、動画やセッションの流れを組み立てる事はレースの流れを組み立てることに繋がりますし、人に分かり易く何かを伝えることも、調教師やオーナーとのコミュニケーションに役立ってます。なので必ずしもトレーナーをやりたいわけではなく、まずは自分のスキルアップになるものだ、と思っています。
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Web編集者兼ライター。フリーライター・動画編集者を経て、現在は日刊SPA!編集・インタビュー記事の執筆を中心に活動中。全国各地の取材に出向くフットワークの軽さがセールスポイント
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