令和元年の大相撲夏場所。新たな時代に期待したい力士たち
琴奨菊、ベテランとしての存在感
<春巡業@佐野市>
— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) 2019年4月24日
お客様との握手会。
琴奨菊と嘉風、魁聖と玉鷲、審判部の竹縄親方。#sumo #相撲 pic.twitter.com/rKIlpbTDnN
幕内最高優勝を成し遂げてから3年以上が過ぎた。長く守った大関の地位からも離れ、一人の平幕力士として時代を跨ぐベテランがいる。 先場所11勝を挙げた琴奨菊は、初日からの5連勝、場所後半にも勝ち星を並べ、15日間を通して力強さと状態の良さが伝わる内容。その白星の数以上に輝きを放っているように感じられた。 さらに土俵上は殆どが年下の力士ばかり、相撲ファンは「ベテランvs若手」の構図を勝手に描き、35歳の琴奨菊に見入る。その中で先場所3日目、朝乃山との取り組みでは琴奨菊が新鋭の「壁」となり立ちはだかった一番でもあった。立ち合い、前まわしを左手で掴むと同時に右を差し、四つのまま前に出る。胸を合わせられた朝乃山は上体が高くなり下がり続け防戦一方に。琴奨菊は圧力を加え、最後はがぶり寄りで朝乃山を土俵の外に。伸び盛りの25歳に対し、何もさせず「格」の違いを見せつけた。 ともに時代を駆け抜けてきた横綱が土俵を去った。そして10歳以上も年齢の離れた力士も多くなった。その中でもその存在感は今なお決して薄らいでいない。琴奨菊の代名詞でもある「がぶり寄り」はキレ味と重量感が増す一方だ。 初優勝から1年後の2017年の初場所、12日目に負け越し大関の地位を明け渡すことが決まった直後「負けて終わりではなく辞めたら終わり」と語っていた琴奨菊。その言葉通り、現在でも土俵に立ち、相撲を披露し続けている。積み上げた経験とともに、そしてその姿に我々ファンは決して少なくない何かを感じ、一層の力を込めて声援を送る。<文/佐藤文孝>
1
2
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ