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GWに家でゴロゴロしながら見るべきネトフリ発・珠玉の映画作品

 今年のゴールデンウィークは最大10連休。待ちに待った休みではあるが、長すぎて時間をもてあますなんて事態も起こりうる……。

 そんな人にうってつけなのが、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどの映像配信サブスク。これだけ時間があれば普段見られない映画やドラマのまとめ見も叶う!! 優雅な気分になれること間違いなしだ。

 とはいえ莫大なコンテンツのなかから何をセレクトすべきか? 週刊SPA!カルチャーページにて「贅沢フィクション」を連載中で映画に詳しい山田由梨さん(劇団・贅沢貧乏主宰)に、ゆっくりじっくり見ておくべき一本を教えてもらった。(以下、山田さん寄稿)

『ROMA/ローマ』Netflixで独占配信中

 映画『ROMA』は、Netflixオリジナルでありながら、ベネチア国際映画祭で金獅子賞、ゴールデングローブ賞で最優秀監督賞・最優秀外国語映画賞を獲得したことで話題になった作品だ。日本でも全国77館で劇場公開され、Netflixの枠に止まらない勢いで評価されている。

 映画の舞台になっているのは、1970年代のメキシコシティ。スペインに植民地化された過去のあるメキシコは、当時階級社会で、さらに政局も安定せず暴動が度々起こっていた。主人公は、そんな時代の空気をまとった白人家族のもとで働く先住民系の家政婦の女性、クレオである。

 とにかくこの映画は静かだ。職業を選べない人種や身分の差別や、暴動による犠牲、男性優位社会による理不尽、いろいろな要素が描かれていても、どこにもそれを糾弾するようなニュアンスはない。あくまで当たり前の日常として描かれている。

 この映画の中で何重にも犠牲を払っているクレオは一度も怒ることがない。静かに耐えて、ただただこの状況を受け入れるしか術がない、その様子がなんとも悲しい。

 今作は、全編白黒で撮影されているのだが、その絵のひとつひとつがとても美しい。定点あるいは左右平行移動のみで構成される計算し尽くされたカメラのカット割は驚くほど緻密で静かだ。

 その中に込められた、無数のドラマや豊かな感情をわたしたちは静かに画面から受け取り、彼女たちを静かに見守ることしかできない。

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『ROMA/ローマ』
’70年代のメキシコを舞台に、家政婦の視点から描かれたある家族の物語。’19年アカデミー賞で監督賞、外国語映画賞、撮影賞を受賞。ベネチア国際映画祭で金獅子賞、ゴールデングローブ賞で最優秀監督賞・最優秀外国語映画賞し賞レースをけん引。監督は『ゼロ・グラビティ』で第86回アカデミー賞監督賞を受賞したアルフォンソ・キュアロン。本作は彼の最新作で自伝的映画

山田由梨●やまだゆり
’92年生まれ。劇団・贅沢貧乏主宰。脚本家、演出家、女優。9月に東京芸術劇場シアターイーストにて新作を上演予定





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