更新日:2023年03月21日 15:53
エンタメ

『アベンジャーズ』に出演する唯一の日本人・真田広之「一周まわって知らない過去」

2003年:『ラストサムライ』への出演で飛躍

 真田の世界的出世作となったのは、2003年の映画『ラストサムライ』だ。明治維新後の日本を舞台に、最後の侍となった者たちの戦いを描いたこの映画で、主要キャラクターの一人を演じたのである。  演技で存在感を見せていた真田は、実は裏方としても尽力。世界的大スターであるトム・クルーズら出演者たちに、殺陣の指導をしていたという。また、ポストプロダクションという撮影後の工程にも関わり、日本の描写としておかしい部分を修正する作業にも参加していたそうだ。  国内外の評価を高めた真田は、このヒット作への出演をきっかけに渡米。ロサンゼルスに拠点を移して、ハリウッドで華々しいキャリアを築いていくこととなる。
ラストサムライ

トム・クルーズ主演のヒット作『ラストサムライ』。この映画で真田は、俳優としての経験を活かして、殺陣の指導や日本の描写の修正を行っていたという(画像は『ラストサムライ』DVDジャケットより)

2003年~現在:人気作に続々と出演し、紫綬褒章を受章

 日本を代表する俳優の一人となった真田はその後、海外で人気作に続々と出演するように。タイトルを挙げるだけでも、『ラッシュアワー3』や『ウルヴァリン: SAMURAI』、テレビドラマシリーズ『LOST』ファイナル・シーズン、『ウエストワールド』シーズン2など、枚挙にいとまがない。  2013年に公開された『47RONIN』では、大石という役を熱演。主演のキアヌ・リーブスから、「彼は素晴らしい俳優」、「献身的な姿はまさに大石」、「彼のような師匠に助けていただきとても光栄」と絶賛された。  2018年には、芸術や学問、スポーツなどの功労者に送られる紫綬褒章も受章。子役時代から、海外で働くことを夢見て努力を重ねてきたという真田は、その素晴らしい仕事ぶりで、周囲を認めさせてきたといえるだろう。  ハリウッドに飛び込んだ当初、「日本人が当たり前のようにハリウッド作品に出演できる時代を築きたい」との思いを持っていたという真田。彼のおかげで、ハリウッドにおける日本人の立場が、改善しつつあるのは間違いのないことだろう。また今後は、プロデューサー業や海外進出を目指す若手俳優の支援にも、力を注いでいくというから、日本映画界の発展にさらなる貢献をしてくれそうだ。
47RONIN

『47RONIN』で、大スターであるキアヌ・リーブスと共演した真田。彼は他にも、『ラッシュアワー3』でジャッキー・チェン、『ウルヴァリン: SAMURAI』でヒュー・ジャックマンといった、大人気俳優と共演を果たしている(画像は『47RONIN』DVDジャケットより)

 ――日本人にとっては狭き門であったハリウッドに飛び込み、存在感を発揮してきた真田広之。これからの活動にも期待がかかるところだが、まずは劇場に『アベンジャーズ/エンドゲーム』を見に行って、その活躍ぶりを確かめてほしい。<文/後藤拓也(A4studio)>
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