更新日:2023年03月21日 16:03
お金

利回り60%超えも可能。「ドミトリー投資」の魅力と注意点

立地と賃料の割安感がキモ

 民泊を転貸で行う「グレー民泊」は昨年6月から簡易宿泊所の認可が必要になったが、ドミトリーならこうした法的リスクもない。 「賃貸借契約書を結んでいるので、ショートステイのような使い方は受けていません。支払い能力に応じて賃貸借契約の中で対応することもときにはありますが、あくまでも基本は1年契約です」  ただ、民泊などはオーナーが許可していても、近所からのクレームで続けられなくなるケースもある。入居付けや管理は普通の賃貸経営より大変そうだが、大きなトラブルが発生するリスクはないのか。 「入居者同士での盗難や夜中に大騒ぎするといった問題が起きる可能性は0ではないですが、ドミトリーは民泊と用途が違い、入居者も日本人ばかり。そのへんのリスクは意外と低いかなと思っています。シェアハウスやドミトリーの立ち上げから管理までを請け負う管理会社も、いろいろ工夫しながら運営しているみたいで。1人だけ家賃を安くして、入居者のリーダーを置いたり、フットサル大会したり。ドミトリーを始めて約1年半ですが、滞納も1回遅れた程度でほとんどないですね」  ちなみに小林氏のドミトリーの入居者は男女混在。年齢層は10代後半~20代前半の若者が圧倒的に多く、職業もミュージシャンや漫画家志望、新卒社員など、中央線という沿線の特徴が現れている。 「ドミトリー経営は物件さえあれば新規でやりたいですが、立地がよく、オーナーが又貸しOKという条件を突破する物件が少ないんですよね。ロケーションが一番大事で、東名阪のターミナル駅の近くとかでも成り立ちそうですが、都内でもちょっと外れると危ない。基本23区内の駅徒歩5分未満がいいかと思います」  スルガ銀行の不正融資問題の影響で銀行の融資姿勢が厳しくなっている中、徐々に増えつつあるドミトリー経営。初期投資が300万円からというハードルはあるがリターンも大きいようだ。家賃収入に憧れを抱く現役世代も少なくないだろうが、不動産投資の最新トレンドとして意識しておくと、思わぬお宝物件に巡り会えるチャンスもあるかもしれない。 <取材・文/伊藤綾 取材協力/副業アカデミー>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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