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まもなく40歳、元日本代表の稲本潤一が「J3」で現役にこだわる理由

涼しい北海道から移籍。「夏の暑さが怖い」

――昨季まで4シーズンプレーしていた札幌と比較すると? 稲本:北海道の涼しさに慣れてしまっているので、夏の暑さが怖いです(笑)。あと、練習場の人工芝にはようやく慣れてきましたが、やっぱり地面が固いので、体への負担は大きい。最初の頃は、腰が痛くなったりと、天然芝とは全然違います。僕は欧州の柔らかい芝で長くプレーしていたので、気候も含め、今まででいちばん厳しい環境かも(笑)。 ――第9節を終えて、J3での出場は2試合。ただベンチにいてもゴールが入れば、真っ先に飛び出して喜びの輪に加わるなど、チームを盛り上げている様子は伝わってきます。 稲本:若い頃は自分が試合に出られないときには正直、「負ければいいのに」とか思ってしまったこともありました。ただ、この年でベンチでスネてたらヤバいじゃないですか(笑)。サッカーに年齢は関係ないし、ベテランだからといって練習もせずに試合に出たりとかはしたくない。しっかりとみんなと同じ練習をこなし、パフォーマンスを良くすることで、チームに貢献できればと思っています。 ――キャリアの浅い選手からすれば、サッカー界のレジェンドの一人でもある稲本選手とのプレーに、緊張感を覚えてしまう気もしますが。 稲本:そこは能活さんもいたし、ここの選手はベテランの扱い方には意外と免疫はついていると思います。若手も緊張している様子はないし、欧州サッカーの話とかはよく聞かれますよ。ただベテランって言われますけど、以前にカズさんに会ったときは「若いね」って言われましたし、カズさんに比べたら、まだまだ中堅ですよ(笑)。 ――SC相模原は3勝2分け4敗で18チーム中12位(5月31日現在)につけていますが、ここまでの手ごたえはどうですか? 稲本:J1と比べればもちろんJ3の選手は技術的に劣っている部分は否めません。ただ、J2から経験のある選手が来たり、将来的に面白くなりそうな選手もたくさんいますし、すごくポテンシャルのあるチームだとは感じています。今、順位は中位ですが、J3は上位と下位の実力差も少なく団子状態で、どこが勝ってもおかしくない。だからこそ、優勝のチャンスだってあると思うし、そこに向けて自分も少しでも力になれればと思っています。 ※6/4発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【稲本潤一】 ’79年、大阪府生まれ。’99年ワールドユース、’00年シドニー五輪などを経て、A代表では’02年、’06年、’10年と3度のW杯に出場。クラブでは’01年にG大阪から英・アーセナルに移籍。その後9シーズンを海外で過ごす。’10年に帰国後は川崎、札幌を経て、今季からSC相模原でプレー。181㎝、77㎏ 取材・文/栗原正夫 撮影/ヤナガワゴーッ! 取材協力/jam café GARDEN
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週刊SPA!6/11・18合併号(6/4発売)

表紙の人/ 川栄李奈

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