買って後悔&要注意の食材も……
続いては『タマリンド』と呼ばれる果物。店員曰く、日本では育てられていない果物ということで「どんな味がするのだろう」と思い、購入した。ちなみにインドやタイでは、ローカル屋台で売られているような地元民御用達のフルーツで、『パッタイ』にも使われる食材だ。
食べてみると、食感は干し芋、味は干し柿だった。
種が大きく、食べられる部分が少なかったためか、1人の友人はあっという間に一房平らげていた。だが、何個も食べるものではなかったらしい。後々「果肉が歯に詰まって味が残っているのが気持ち悪い」と言っていたので食べ過ぎには要注意だ。
しかし、別の友人は「常にデスクに置いておきたいくらい美味しい」と大ハマり。ドライフルーツのような甘みもあるため、女性ウケは良さそうだ。
パッケージの何とも言えない表情に惹かれて購入したものが『パパド』と呼ばれるひよこ豆から作られている食材だ。インドでは、カレーと一緒に食べるナンの代わりに使われている。まず、生で食べてみてどのような味がするのかを検証した。感想は「塩気があってイケる!」
だが本来は焼いて食べる物ということで、今度はオーブンを使って焼いてみた。
食感はパリパリとしていてえびせんのようだ。しかし、食べ続けるとどんどん口の中の水分が持っていかれる。味つけも塩のみだからか、すぐに飽きてしまった。一袋に入っている枚数が多いため、少人数で食べるには注意が必要だ。
購入した食材が入った袋の中で、極めて異様な匂いを放っていた香草『チャオム』。
店員によるとビタミンやミネラルが豊富で栄養価が非常に高い食材だそうだが、パクチーのような香草の独特な匂いに、エスニック料理が得意ではない友人はずっと「くさい」と言っていた。
ビニールから取り出してみるとトゲが手に刺さって痛い。まずそのトゲを手で摘み取る作業に10分ほどかかった。
店員に「タイでは卵焼きの中に入れるのが定番」と伺ったので、卵に塩コショウとナンプラーを混ぜてエスニック風卵焼きを作ってみた。
見た目はチヂミのようでとても美味しそうだ。
だが、食べてみると「ん……?」ただの卵焼きだ。肝心のチャオムの味がまったくしない。
疑問に思い、今度はチャオムだけを生で食べてみた。しかし、うっすらと草の味がするだけで、匂いから想像していたパクチーのような独特な味はしない。
結果、味的には「あってもなくても一緒」という結論に至った。購入前に異様な匂いを放っていたチャオムは、調理後さらに臭さを増した。換気をしてもすぐには消えなかったので購入する際は要注意だ。
世界各国で売られているさまざまな食材を扱っている『野澤屋』
最初は初めて見る食材になかなか手を出せずにいたが、実際に食べてみると「意外とイケる」と感じた食材が多かった。
個人的には「キャッサバ」が一押しだったのだが、協力してもらった友人にそれぞれの一押しを尋ねてみると「金針菜」、「ムクワス」、「タマリンド」ときれいに好みが分かれた。
店頭にはまだまだ検証したい珍食材がたくさん並んでいたが、購入する際は店員におすすめの食材やその調理方法を聞いて、用途に合った食材を選ぶのが良いだろう。
〇検証協力
・Sさん(23歳・男性)
無類の酒好き。「これはお酒が進む」と箸を休めることなく金針菜の入った野菜炒めを頬張っていた。
・Tさん(22歳・男性)
甘い物が大好き。口直しとして購入したムクワスを「お菓子みたい」と美味しそうに食べていた。
・Fさん(22歳・女性)
エスニック料理好き。男性にはあまりウケの良くなかったタマリンドを「何個でも食べられる」とイチオシしていた。
<取材・文/Noca>
〇店舗情報
『野澤屋』
住所:東京都台東区上野4丁目7番8号 地下1階
電話番号:03-3833-5212
営業時間:10:00-20:00
定休日:第三水曜日