ハンズフリー通話をしている人が怖すぎる……非難の声に当人は?
最近、ワイヤレスのイヤホンを使ってハンズフリー通話をしている若者が増えてきた。電車内や夜道で、音楽を聴いているだけかと思いきや突然一人で話し出す姿に、筆者に限らず「何事?」と身構えた経験を持つ人も少なくないのではないだろうか。そこで、実際に筆者の周りであがったハンズフリー通話に関する様々な声を集めてみた。
「街中を歩いていると、1人の男性が笑顔でこっちを見ながら歩いて来ました。知り合いかなと思い、しばらく考えていたのですがどう考えても思い当たる人がいない。困って適当に作り笑いを浮かべていたら、スルーされました。後々ハンズフリー通話だと分かって、とても恥ずかしかったです。ハンズフリーで通話する人は『通話中』という看板をぶら下げて会話してほしいですね」(女性・35歳)
「電車に乗っていたら、隣に座っていた人が急にわけの分からない言葉を発し始めました。びっくりして隣を見ると、外国の方がハンズフリー通話を使い、地元の言葉で会話をしていました。あの時は一瞬『自分に話しかけているのではないか?』と思ってしまい、ちょっと警戒しましたね」(女性・44歳)
慣れないせいもあってか、非難する声が多くあがった。とはいえ、今の若者にとって街中や電車内でハンズフリー通話をするというのはもはや当たり前の光景。なかにはあまり違和感を覚えないという人もいるだろう。
では、このような場面ではどうだろうか。
「会社で仕事をしていたら、社内をうろついていた部下が急に話し始めました。突然笑いだしたりするので、頭がおかしくなったのかと思いましたね。もちろん、耳元を見ればハンズフリー通話をしているということは分かるのですが、あの光景はいつ見ても慣れません」(男性・42歳)
カチャカチャとキーボードを叩き、デスクワークをしていると思いきや、突如独り言のように声を出し始める――同僚から奇異な目で見られてもおかしくないが、このような意見に対して、当人はどのように思っているのだろうか。ハンズフリー通話をこよなく愛する出版社勤務の伊野さん(仮名・29歳)に話を聞いてみた。
「イヤホンで音楽やラジオを聴きながら作業をしていたことがきっかけで、ハンズフリー通話を始めました。両耳で相手の声を聞けるし、メモも取りやすいのでとても便利ですよ」
会社内では常にイヤホンを挿しながら仕事をしているという伊野さん。ハンズフリー通話に対して批判的な声があることを伝えると、非常に驚いていた。
「誰が何と言おうと、いずれはみんなハンズフリー通話をすることになるでしょう。テクロノロジーの進化についていけないカセットテープ人間に成長はないので、意地を張っていないで是非1度使ってみてほしいですね」
海外では、既にあたりまえとなっているところもあるというハンズフリー通話。確かに伊野さんが言うように、街中やオフィスではいずれ当たり前の光景となるのかもしれない。しかし、メールやSNSが伝達ツールとして当たり前となり、ただでさえコミュニケ―ション不全が叫ばれている昨今、見慣れないツールをドヤ顔で使うことは、職場に新たな疎外感を招く可能性もある。現に、気味悪さを感じる人がいる以上、すべてはTPOに応じて使い分けることが肝じゃないかと感じた。<取材・文/Noca>
知らない人がこっちを見ながら笑顔で歩いてきて…
カセットテープ人間に成長はない(?)
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