更新日:2019年07月18日 12:51
スポーツ

“令和の怪物”佐々木朗希、甲子園までの5つの関門。弱小校に負けた過去も

関門その4 試合日程

順延

雨の影響で、試合日程が狂うことも

 大船渡にとっての敵は対戦相手だけではない。試合日程も、甲子園に行くためには乗り越えなければならない大きな壁となって立ちはだかっている。というのも、7月に入ってもまだ梅雨かと思わせる長雨の影響で(これは岩手県だけでなく全国的にだが)、試合日程が狂ってしまったからだ。  当初、大船渡の初戦は15日が予定されていたが、雨天中止となり16日にずれ込んだ。これにより、24日の決勝戦まで9日間で6試合に勝利しなくてはならなくなってしまったのだ。春の県大会以降、チーム力の向上は認められるものの、やはりここ一番で頼りになるのはエース・佐々木。連戦が続く終盤にはその起用法がカギとなろう。

その5 監督采配。かつては部員11人のチームに敗北も…

 これは前述した佐々木の起用法とも関わってくるのだが、チームを率いる國保陽平監督の采配も注目点だ。というのも、今年ほどの騒ぎにはならなかったが、昨年夏も佐々木はチームのエースとして君臨。熱心な高校野球ファンの間ではすでに名の知られた存在だった。その佐々木擁する大船渡の昨年夏の成績は……というと、3回戦敗退。しかも2-0で迎えた7回に3点を奪われての逆転負けだったにも関わらず、この試合、佐々木の登板はなかったのである。さらに付け加えると対戦相手の西和賀はボート部からの助っ人を含む部員わずか11人という、悪い言い方をすれば“弱小校”。  一部ネットでは監督の“やっちまった采配”と揶揄されたほどだ。今春県大会でも佐々木を登板させないまま初戦でサヨナラ負けを喫している。余計な深読みをすれば、もはやこれだけプロの目玉になっている佐々木にケガをさせてはいけない、無事にプロに送り出さなければならない……という思いが働いていても不思議はない。だが、佐々木本人にとっては最後の夏。悔いのない投球を披露してもらいたいものである。 ――以上、5つの関門を無事突破して、佐々木擁する大船渡は甲子園にその姿をみせることが出来るのか? ファンにとっては全国の舞台で活躍する姿を見てみたいのだが、果たしてどうなるか。<文/上杉純也>
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